落しの麗子さん見参❤
たから聖
第1話 私に出来ない事は無いわ。
入社前のテスト勉強中から、麗子は、他の生徒とはひと味もふた味も違っていた。
一際、放つ自信にみなぎるオーラに類まれなる美貌を
持て余す事無くそのシャープな
美しい身体のラインを
見て伺える洋装をしていた。
ヘアは、ブロンズのロング。
メイクはnudeメイクがヤケに色っぽい。
社内を歩けば…振り向かない男性社員は居なかった。
麗子は、そんな美しい容姿なのになぜ夜の仕事へ行かなかったのか?!
理由は簡単。
つまらないからだった。
そして、試験合格後、
社員となり生保商品を営業でバシバシと初っ端から
決めてくる麗子に対して、、、
同期の社員は…おののいていた。
そして陰で密かに囁かれる。
【落しの麗子さん】
と……
麗子は…今日も颯爽と真っ赤なポルシェを走らせる。
男性社員は…麗子に対して
競争心を駆り立てられたのだが、
麗子にとっては
落ちる男ほど
つまらないものは無いわ。
と……片っ端から切り捨てて来た。
◇◇◇◇
『………と、いう商品になりますが?分からない点は、ございますか?!』
『う〜ん。全部聞いたけど、そんなに保険って今の私に必要かしら?』
麗子は…畳み掛ける。
『ハッキリ言うと…現時点では必要無いですね?』
『は?!ぇぇ?』
『ただ一言、申し上げますと。この先数年後に、この保険商品に入るとしましょう。
その時には、月々支払う保険料が年齢の為に上がってしまうのですよね!?』
『どうなさいますか?!
わたしは何も言えませんが、決めるのはお客様ですから。』
少しだけ突き放すと……
待ってました!とばかりの表情をする
麗子は…見逃さなかった。
『そうねぇ💦子供も居るし、旦那も居ないし。』
麗子はニッコリ微笑むと、こう付け加えた。
『そうですよね?備えあれば憂いなしですからね?
保険とはそういうものですから。』
『じゃあ麗子さんを信じてみようかしら。』
麗子は内心思った。
(チョロいわね?)
契約書に色々な必要事項をターゲットに書かせて
最後に印鑑を押させた。
一件決まり!
そして、麗子はここでは終わらない。貯蓄保険も勧めてみる。
ターゲットは既に麗子を信頼しているので
二件目もあっという間の事だった。
麗子は書類をホルダーに入れて
真っ赤なポルシェに乗り込み、ターゲットを助手席へと座らせた。
『わぁ、ポルシェ!初めてなんです!』
『契約のお礼に、お茶しましょ❤』
麗子の運転する真っ赤なポルシェが走り出す。
おばあさんのところへと…麗子は走り出す。
ターゲットと仲良いおばあさんだが、ここでも養老保険と…
孫の分の掛け捨てを手腕で契約を交わした。
麗子にとって、もはや
仕事は…ゲームでしか無かった。
客と…色々世間話をしつつも
次のターゲットを探し始める。
【イケるわね?】
自信に満ちた麗子さん。
本日も四件の契約を結び、更に新しく開拓した客の営業を明日に回した。
社へ帰ってくると歓声が上がる。と…同時に両脇から拍手のオンパレードだった。
余りにも出来のいい麗子に上司は戸惑う。
『麗子くん。君何か秘訣はあるのかい??!凄いよね!』
麗子は…クスリと笑みを浮かべて言うのだった。
『面白いゲームは、勝たなくちゃ。』
と……
【1話終わり】
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