第肆話 最強に
目覚めて病院に拉致されて、そして異能調べたらなんか最強になってました、どうも俺です。
俺の名前はもう使えないので、今はノーネイムです。
はい、差し当たっては自分で名前をつけるところから始めなければいけません。
かっこいい……いやかわいい?名前をつけなければ格がつかないってもんですよ。
厨二病心をくすぐる、厨二病心全開みたいな名前をつけたいですよね?
そんな時は検索機能ですよ!
さてさてネットは…………と。
………………え?国家最重要機密のためここにネットは存在しない?
はい終わりました。
クソですね、これ。クソゲーですよこれ。
はい?はいはいはいはいはい?自分でつけなければ意味のないものになってしまうので、自分でおつけください?
精密検査とかいいんで、今は名前を俺に与えてください。
まじかぁ、天下のぐーぐり先生が使えないとなると選択肢も限られるってもんですよ。
どうすっかなぁ、これ。
好きな花の名前にしようかなぁ、でも花の名前ついてると短い人生だと言うジンクスが出来上がってしまっているし、名前に花を入れるのはなんか避けたくなってしまうんだよな(個人の偏見)
えぇ、まじでどうしよう。
「ここに名前のリストがありますから、参考にしていただけると幸いです。本当に名前に困った時は一緒に考えましょう」
と、心どころか顔までもイケメンの人に言っていただいている。
ここまできたら泣き寝入りなんて恥ずかしいことはできないだろう。
まじで一人で考えるのが苦痛なわけじゃない。ちょっと難しいってだけだ。
漢字ぐらいなら中卒ブラック企業勤めでもある程度はわかる。
こんなんでも一応長年ブラック企業に勤めてたからな。
差し当たってはこの名前リストから良いものを選りすぐりして……こうやって寿限無ってできたんじゃね?
天才じゃん俺。
俺が中卒であると言うことを棚に上げれば、天才であると言うことが証明されたことはともかくとして、本当に寿限無なんて名前にするわけもない。
なんか可愛くないし、微妙だしな。
よし差し当たっては、この名前リストから組み合わせていこう。
死神…………ひぇ、キラキラネームじゃねぇか!
もっと他になかったのかなって。メロディとかなら……うーん、迷ってしまうなぁ。
本当にこれ名前リストなん?
うーむ、まじで何にしよう。
一番合戦……おぉ、この苗字いいねぇ!
一番合戦と名乗ることとしよう!これめちゃめちゃかっこいいじゃんね!
ファミリーネームはこれとして、官位が与えられていて、正五位上の式部大輔の名を与えられていて、一番合戦式部大輔○○なのである。
流石は大日本帝国の異能学園であるな。
昔ながらの官位が与えられるとは思ってもみなかったが。
名前は……?そう名前だよ名前。呼びやすい名前なら尚のこと良いだろう。
華恋……華恋かいいね。
「一番合戦式部大輔華恋……ですか。良い名前をつけられましたね。正五位上の名前に相応しい、美しい名前をつけられましたね。これで申請しておきますので、安心なさってください」
このイケメン、仕事もできるわけだ!
仕事の早いやつは素晴らしいことだな!
俺なんか万年怒られてばっかりだったから、これは素晴らしいことだな!
ははははは!ぬか笑いが込み上げてくるわ!
はぁ、なんか虚しいわちくせう。
これが仕事のできるやつで、俺はできないやつ……そう考えると俺の存在意義って一体何なんだコレぇ?
あ、異能を目覚めさせてから、異能測定なるものをやってみた。
普通の体力測定と何ら変わらない、異能を交えての体力測定と言ったところだ。
これで自分の力がどこまであるのかとわかるようになっている。
よし、そうであるならばこの測定をぶっ壊すつもりで挑もうではないか!
…………あれ、なんか次々に測定器がぶっ壊れていく。
これ、取り返しつかないんじゃね?
今更取り繕っても遅いんじゃね?
やらかしました。俺は……最強かぁっ!?
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「私は少し見誤っていたのかもしれません…………彼女の力はとんでもありませんな。涼しい顔をして測定器をああも簡単に破壊するとは……」
そう言うと、医師は悟ったように空を見上げる。
イケメン文官は同意するように言葉を紡ぎ始める。
「彼女は異能学園きっての天才児となり得るでしょうね。まさかあの英雄の一人である一番合戦の名前を自身につけるとは……自分が当たり前のように結果を残せると言う裏付けになりましょうね」
「ああ、簡単に全てを破壊する力を持っているのだから、当然と言ったら当然だろう。しかしながら、異能が定着して間もないと言うのに、長年使ってきたかのように、それも自分の手足を動かすのを容易にしているように異能を使いこなすとは。末恐ろしいものを感じますよ、私は」
「しかも無口で何を考えているのか分かりませんからな。意表をつくと言う点においても彼女には敵いませぬな。先生もそれほどと思われるとは、彼女は相当に優秀な…………いえ秀逸な存在であると言える」
そう、一番合戦式部大輔華恋は周りからどんな存在に思われているのかと言うと、大日本帝国の最終兵器だと思われていて、英雄の一人の名を冠する最強の存在だと思われている……と言うことだ。
銀髪短髪碧眼ロリの
最初の言葉は「ここは、どこだ?」ただ一つだけ。
彼女は……そう、彼女は周囲にだいぶ勘違いされていた。
それもものすごい勢いで最強というレッテルを貼られて、勘違いをされている。
そんな勘違いにいつ彼女が気づくのか、それは…………分からない。
分からないったら、分からない………………分からないって言ってるじゃん!!
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