第11話ドレス製作には三人メイドを
う~ん、ショタとショタコンしか出てこないのは問題のような(;・ω・)
婚約者に贈るドレス。
俺が転生したこの中世風世界でそれを手に入れる為には、仕立て屋に相手を連れて行ってサイズを測り、何度も調整する必要がある。
ぶっちゃけデートに誘うための方便じゃないかな。
ほら、何回も仕立て屋に行くから誘う切っ掛けにいいんだろうね。
俺もグリエダさんと毎日デートだっ!と喜んだよ。
毎晩、深夜までデザインを頭の奥からひねり出しました。
早く帰って飲みながらテレビを見たかったのに、小太りオッサンのパーティーでペコペコ頭を下げていた時に見たモデルさんのドレスが参考になるとは本人も驚き。
そしてようやくデザイン画が完成してグリエダさんに見てもらおうとしたのだけれど、その計画はとん挫する。
デザインを描いた紙は彼女に見せられず、そして寝不足がバレた。
登下校の白王の背中の揺れは気持ち良く、枕が心地よくて眠ってしまい、落下しそうになったところをグリエダさんに確保された。
「そろそろ許してください~」
「ダメだ。もうしばらくはされるがままでいなさい」
それからグリエダさんに確保される日々。
詳しく述べると少し大きめのヌイグルミを抱きしめて持つ子供のように、俺は大体はグリエダさんに抱きしめられて移動している。
まさか更なる密着方法があったとは神様でも思うまい。
両足をブラブラ~。
慣れてくると楽だけど、人としての羞恥心がすり減っていくような感じがする。
学園ではグリエダさんの持ち物と認識されかけているの、歩いていたらビクッされるぐらい不思議ヌイグルミ認定。生きてるっ!俺は生きてるよっ!
そして本日、ドレスに必要なサイズを測るためグリエダさんと仕立て屋に・・・ではなくハイブルク邸に彼女がやって来た。
「本日は私達が辺境伯様の採寸を担当させていただきます」
「「よろしくお願いいたします」」
「うんよろしく頼むよ」
俺を抱きしめたまま、挨拶してきたメイド達に挨拶を返すグリエダさん。
仕立て屋デートが実家デートに変更なの。
どうしてこうなったかといったら俺お付きの三人のメイドのせい。
ドレスの案が出来た時に侍女長に良い仕立て屋を尋ねたら、俺のお付きの変態メイド三人衆アリー・セイト・カルナにその場面を見られてしまった。
「「「私達が仕立てますっ!」」」
自己主張が激しいメイドで主の婚約者のドレスは私達が縫う!だそう。
主を朝這いしようとする変態達なんだけど有能なのです。
掃除洗濯裁縫マナー、その他なんでもござれの有能メイド達なんだけど、ショタが好きという点で大幅なマイナスになっているダメ人間なの。
もう一匹オスがいるんだけど大抵は三人に〆られてぼろクズになっているから、そいつについてはそのうちで。
で、この三人メイド、裁縫の腕が職人レベルなのです。なので俺の服は全部この変態達が作っているの。
学園の制服だけは仕立て屋にちゃんとお願いしたけど、浮気されたと四つん這いで泣きまねした変態達。
でも気がつけば俺の制服が四つに増えていたの。もうどれが仕立て屋が作ってくれたのかがわからない恐怖、伝わるかな?
それが俺の為に交代で休暇を取って仕立て屋に修行しに行って覚えた技術だというのだから、狂気が見え隠れしてもクビに出来ないのだ。
「では、こちらの部屋で採寸させていただきますので、不肖アリーがセルフィル様をお預かりします」
「いえいえ、アリーが測るのですからセイトがセルフィル様を預かります」
「何言ってんの、縫うのは私主体になるんだから、ええ、カルナがセルフィル様をお預かりしますよ」
「「「・・・・あん?やんのか?」」」
お客様のグリエダさんの目の前でガンを飛ばしあうメイド達。
「君は配下の者にも愛されているなぁ」
「ええ、少し重いですけど・・・」
ヌイグルミのまま顔を隠すよ。
やめて変態達、他のお客様のときはキッチリしているじゃないの。どうしてグリエダさんの前で本性を晒すの?
苦笑で許してくれるうちに止めようか。
「大変失礼しました」
「「申し訳ございません」」
グリエダさんとの会話が聞こえたのか睨み合いを止め、完璧な頭の下げ方をするメイド達。
「いや、私の前では普段セルフィル君に接するように振舞っていい。君達はセルフィル君が嫁ぐ時にはついてくるんだろ?」
「「「はい、生涯仕えたいと考えております」」」
迷いのない目で返事している三人。
・・・俺、何をしたのかな?
味方が殆どいなかった幼少期に新人だったメイドを顔と口八丁で引き込んだけどさ。ここまで忠誠心MAXになるようなことはしてないよ。
あれか?ショタ好きになってしまったせいか?罪なショタだぜ俺っ。
採寸用に用意した部屋の扉をメイド達が開けてグリエダさんは入って、
「待ってグリエダさんちょっ、待ってっ!」
「なんだい?」
「どうして僕を持ち込もうとしているんですかっ」
ヌイグルミ(大)(ショタ)(セルフィル)を所持したまま採寸部屋に入っていこうとするグリエダさんを叫んで止めた。
グリエダさんはクルリとショタの向きを持ち替えて脇に手をやり、持ち上げて自分と同じ視線まで持ち上げる。
「何か問題はあるのかい?」
コテンと首を傾げて不思議そうな顔をしているよこの人。
ショタを男として見てないな覇王様。
こんな状況でグリエダさんの肌を見るなんて嫌だーっ!
「こらこらそんなに動いて、落ちて怪我したりしたらどうするんだい」
「ふぬっ!ふぬぅっ!」
ジタバタもがいてもグリエダさんの拘束は全然解けなかった。この人マジで化け物だっ!
侍女長からも逃げ出せるこの俺が空中磔はりつけ状態で手足の先しか動かせないのぉ!?
「アリー!セイト!カルナ!ご主人様の危機だよっ。助けてっ、そして逃してっ」
「見ていいのなら見させてもらえばいいじゃないですか」
「椅子を用意しますから。部屋の隅でいいですよね?」
「薄目で見るのがコツですよ、セルフィル様」
「配下が味方じゃないーっ!最後のカルナは僕の着替えの時だな?そうだなっ!?」
「ハハハハ」
「グリエダさんは笑ってないで降ろしてくださいーっ!」
ひとしきりからかわれて、通りかかった侍女長が助けてくれた。
涙目で侍女長に抱きついたよ。
そのおかげで三人変態メイドはあとでお説教コースが決定、ざまぁみろっ。
グリエダさんはお咎めなし。くっ、鬼の侍女長も辺境伯には手を出せぬか。
「それじゃあまた後でね」
「しっかり測られてください。三人は最高のドレスを作るように」
「「「かしこまりました、セルフィル様。完璧に仕上げますので侍女長におとりなしを」」」
聞かないよ。ほら本人がいる前で言うから延長ですねとか呟いているから。
ヒラヒラ手を振ってグリエダさんは室内に入り、扉が閉まった。
「お探ししておりました、セルフィル様。御当主様がお呼びです」
侍女長は俺を探していたみたい。
長兄を名前呼びしないということは外向きのことかな?いくつか相談したからたぶんそのことだろう。
侍女長?荷物の様に脇に抱えなくてもいいよ?それ子供の頃にお尻ペンペンされたの思い出すの。もう十三歳っ、今年で十四歳だからあぁぁぁ・・・。
ーーーーーーーー
ヌイグルミショタ「属性が変化してもショタは取れずっ!Σ( ̄□ ̄;)」
ショタ好きな人達「「「「そこは変わってほしくない」」」」
・・・この小説はショタを愛でる話だったかな?(;・ω・)
長兄ーっ!あなたは苦労人の常識人だから話を進めてーっ!(´□`;)
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