アンラッキー7……!

てぃ

KAC20236「アンラッキー7」

「昔の偉い人は言いました……禍福かふくあざなえる縄のごとし……ってな」


 弾倉は六発。現代の日本では銃刀法に引っ掛かるので、上着の下に隠した

回転式拳銃は日本のメーカー製のモデルガンだ。

 それを人目をはばかってもてあそぶ時間が好きだった。至福と言っても過言ではない。


「一発……二発……弾倉に込めた弾が暴発する度に不幸が訪れる。最初は指を

怪我する程度だろうが……二発目は指の骨折……三発目は指の切断……四発目は

どうなる……? そう、手首さ……!」


 標的となった対象には

 それが<アンラッキー7>の能力! 発動の条件は彼に危害を加える事!


 自ら行動しなければ不幸からは免れるが期限はなく、規定回数を凌ぐ以外には

対象に幸福は訪れない!


「俺にぶつかったよなぁ……? アンタ、俺にぶつかったよなぁ……! 楽しませて

貰うぜ、アンタの生き様……ベットするのは互いの命だ……!」


 今回、標的となったのは見ず知らずのサラリーマンだ。帰宅途中、電車から

降りる際に彼にぶつかって謝りもせず、早足で去って行った。それが能力者の

逆鱗に触れた!


 能力者はそのサラリーマンの後を気付かれぬよう注意しながら追跡している。

 彼は既に角を曲がる時に。そして今、歩道から

車道に人を避けた瞬間に不幸にも……!


「これで二発目……あと四発だ……言うなればこれは、全て弾倉に銃弾を込めた

俺とアンタのロシアンルーレット……! 先攻のアンタはあと四発、

……!」


 <アンラッキー7>……それは対象と能力者、どちらかを必ず不幸にする能力!

 彼の考える最大の不幸とは! ……そう! である!


「見届けてやるぜ……或いは、アンタが見届けるんだ。俺達はじゃない。幸福な

事なんだぜ、それはよ……!」

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アンラッキー7……! てぃ @mrtea

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