ガチャと奴隷と異世界ゲーム Qモンスターが歩き回るヤバい世界になりました。どう生きればいいですか? A異世界ガチャで美少女奴隷を当てましょう。そうすればボッチでも素敵な終末ハーレムライフを送れます!
第107話 そんな所が!? 【マナスポット】の恩恵は他にも、そして水間さんと2人で
第107話 そんな所が!? 【マナスポット】の恩恵は他にも、そして水間さんと2人で
「――
現実へと戻った意識と視界。
最初に認識できたのは、心配そうに見つめてくるリーユの姿だった。
「お、おう。大丈夫。……もしかして、ボーっとしてたか?」
「は、はい。何だか固まったまま動かない感じ、でした」
リーユが最初に声をかけてくれたというだけで。
ソルア、そしてアトリも気づいていたらしく、その目にはこちらを気遣う様子が見て取れた。
「そっか。……【マナスポット】に入ると、毎回こうなるんだ、多分。だから、別に何か問題があったわけじゃない」
体調はむしろ入る前より改善しているため、元気だとアピールしてその場を乗り切る。
それよりも、むしろこれ以上ソルア達の顔を見続ける方が問題だった。
――本当っ、何で毎回ソルア達の裸を見せてくるのかねぇ!?
★6への限界突破の可能性を見せたいだけなら、着衣状態でいいじゃん!
いや、それぞれ恰好自体もドエロいけど、そうじゃなくて!
直後にこうやって、本人たちと話す方の身にもなれよってこと。
こっちが顔を直視できないというか、見れば見る程、あの肌色を思い出しちゃうからね。
「――それより。3人はどうだ? 何か前後で変化はあったのか?」
話を変えたいがために、半ば強引にソルア達へと話題を移す。
俺の体に異常がないということ自体は真実だったため、そこまで不審がらることはなかった。
ソルアとアトリは、それぞれ昨日と同じように自己点検を始める。
リーユも2人に
「うぅ、えっと、うにゅぅ~……――主さん、すみません。変化、ないです……」
ああ、いや、リーユさん?
昨日の2人で、それは想定済みだから。
そんな申し訳なさそうに目をギュッと瞑って、目尻に涙を溜めなくて良いんだよ?
落ち込まないで。
「フフッ、リーユ。慌てないで大丈夫よ、最初は私とソルアもそうだったから。……あれ? ――ねぇマスター、見て! 私、何だか体のキレ、随分と良くなったみたい!」
そうしてリーユを共に励ました後。
アトリは何かに気づいたというように、その場で激しく動いて見せる。
あ、いや、あの……自分、見せられても分かんないっス。
アトリさん、元々が動き俊敏過ぎるんで……。
……それに、その、あんまりジーっと見ると、それはそれでやっぱり
そもそも動き自体が激しすぎてエロいといいますか……。
「私もですご主人様! なんだか全身が軽くなったようで、凄く動き易いです!」
珍しくソルアも弾んだ声で、動きの点検を始めた。
パワーアップを自覚できたのが相当嬉しいらしく、何度もその場で飛び跳ねたりしている。
「……2人してそう言ってくるってことは、【マナスポット】2つ目から、何かしら実感ある効果が得られるってことかな?」
それはそれで嬉しい誤算だ。
★6の解放まで全く実感得られず頑張らないといけない、ゴールが見えないというのは、ソルア達には酷だからなぁ……。
「あっ――っ!!」
「えっ、あれ!?」
そうして確認が済みそうになった終盤。
突如、ソルアとアトリの動きがピタッと止まった。
「ど、どうした!? 何かあったか!?」
「い、いえ……その……」
ソルアはこれまた珍しく、歯切れ悪く言い淀んでいる。
自分の全身を抱くようにして固まり、かと思うと動揺したように目が左右を行ったり来たり。
「ちょ、ちょっとごめんなさい!――」
……アトリに至っては、顔を真っ赤にしていきなり離れて行ってしまった。
何が何だか……。
「ソルア、何か異変があるなら言っておいてくれ。2人の身に何かあったんなら、ちゃんと把握しておきたい」
「あ、あ、あうぅ……」
俺の真面目な熱意が伝わったのか。
ソルアは羞恥心を必死に抑え込むかのように顔を真っ赤にしながらも。
ゆっくりと、組んでいた両腕を外して後ろ手に組む。
そして、胸を突き出すようにして、ボソボソと話し始めてくれた。
「――えっと。“全身が軽くなった”という趣旨のことを申しましたが。……すみません、もしかしたら、その、一部だけ、“重くなった”かもしれません」
聞き取り辛い部分もあったため、最初、何のことを言ってるのか分からなかった。
【修羅属性】のように、身体能力を上げる代償が何か見つかったのだろうか、と。
――だが唐突に、
ついさっき真っ暗な空間にて、ソルアの生まれたままの姿を目にしてしまっていたこと。
そして今、ソルアの体が視界に入っていることが。
脳内の無意識下で、前後の比較検証をすることを可能にした。
つまり――
「――えっ、嘘っ!?
思わず二度見。
そして先ほど来宮さんが着替えに行った付近、アトリがコソコソしている方へも反射的に視線をやる。
「はぅっ!? ……うぅぅ~。は、はぃ……」
ソルアはドキッとした表情の後、消え入りそうな声で肯定。
そして耳まで真っ赤にしながら、恥ずか死にそうになっていた。
……おうふ。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
「はうぅぅ……」
「ゴ、ゴホンッ――さて」
未だ残る、先ほどの何とも言えない余韻を引きずりつつも。
強引に空気を変えようと話を進める。
流石に、そろそろ今日の寝床について考え始めないといけない時間帯だ。
暗闇が下りる前、次の行動で終わりくらいにしないと。
「見て欲しいことがある。【マナスポット】のあった
そうして、つい先ほどまで黄緑色の渦があった付近へと移動。
今は【マナスポット】からエネルギーを吸収し終えたため、ただの床となっている。
そこに、昨日と同じく“一本の旗”を立てた。
<
[
①旗数1本:1日につき旗数×100ダメージ分だけ、旗が称号所有者のダメージを肩代わりしてくれる。
②旗数2本:旗の立っている場所から、別の旗が立っている場所へと転移することが可能となる。
旗数が、同時に移動可能な人数となる。
※称号所有者も、その人数に含めてカウントする。
③旗数3本:????
④旗数4本:????
⑤旗数5本:????
⑥旗数6本:????
⑦旗数7本:????
「おぉ~! 何やらイケてる旗が出てきましたね!」
「だねっ! それに灰色って、滝深さんを表す色って感じで、何だかカッコいいかも!」
初見の水間さんや来宮さんには好評だった。
……ただ、来宮さん。
そういう言い方はボッチに勘違う余地を与えるので、相手へ好意が無い場合は注意してください。
美少女からの無自覚なスキンシップ、呼びかけ、笑顔は“あれ、コイツ俺のこと好きなんじゃね?”製造機ですからね。
「素敵な見た目をしているのは確かだけど……。滝深君のことだもの、ただ旗を見せびらかしたいってわけじゃないんでしょう?」
……いや、久代さん、あなたもですか?
その、“あなたのことちゃんと見て来たからわかってます・信頼してます”的な言い方もどうかと思うよ?
久代さんくらいの美人に笑顔でそれ言われたらさ。
ボッチ以外の普通の男だと、もうそれだけでコロッと落ちますぜ。
「あ~まあ、うん。そうだね――」
とりあえず肯定して話を先に進める。
[
残量:100/200
旗の本数が“2本”となり、代替HPが更に100増えた。
だからと言って久代さんを怒らせ、その実験をしたいわけではもちろんない。
……というかそんなことしたら、鎌をゲットした久代さんにHP0まで削られかねないしね。
「【マナスポット】を獲得したことで、新しい能力をゲットした。昨日見つけた【マナスポット】の場所へと転移できるらしい。場所は――」
地図を開いて指先でおおよその位置を示す。
レンタルビデオ店。
そして、俺達が昨日寝泊りしたマンガ喫茶も、そこから近くにあるということを説明した。
「あ~あそこですか! 良いですね。あたし、あの漫喫、利用したことありますよ!」
水間さんが知っている店ということもあり、話はスムーズに進んだ。
「だから、これから念のため“能力の確認”、それと“レンタルビデオ店の安全の確認”をしてみる。――その上で、今日この後どこで休むことにするか、考えて欲しい」
午前、水間さんと出会った後に行ったラブホへ戻るのか。
それともホームセンターまで行って、他の
あるいは、この広いショッピングモールにとどまり寝泊りしてみるのも一つの手だろう。
「なるほど、です! つまりその“マンキツ”? という所も、選択肢としてどうか、ってことですね!」
「……えっと。リーユちゃんは、その、略さず“マンガ
うん、来宮さんナイスフォロー!
ただ、リーユがした“マンキツ”のイントネーションにエッチさ・いかがわしさを感じたってことは……。
――来宮さんって、やっぱりスケベな子だった説!
いや、いいんだよ?
飛び切りの美少女がエッチで嫌な人なんて、早々見つからないから、うん。
「えっ、滝深さん? なんですその悟ったような顔は!? あっ、もしかしてまた私のこと――」
「――よし、じゃあちょっと
来宮さんの追及を逃れるべく。
そそくさと旗のある地点へと足を進めたのだった。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
[
転移先候補
①第1旗:〇〇レンタルビデオ店内
旗の周囲、半径2m程ある円へ入ると、選択肢が浮かんできた。
もちろん移動先の候補は1つのみ。
<
それを選ぶと、本当に転移していいのかの確認が入る。
“はい”を選択。
「おっ――」
突如、円が囲う範囲内から光の粒子が次々と湧き上がってくる。
そして視界一杯が光で埋め尽くされた。
――そう思っていた次の瞬間には浮遊感があり、直後、既に視界は切り替わっていた。
「――っと!」
転ぶこともなく、無事に着地する。
薄暗さはあったが、確かに昨日訪れたレンタルビデオ店だと直ぐにわかった。
「……おぉ~本当に転移したんだ」
念のため【索敵】を用いながら、一応外まで歩いて出てみる。
【マナスポット】を獲得してレベルアップしてくれたため、更に【索敵】の範囲・精度は増していた。
目を瞑っていても障害物がどこにあるか、正確な位置が分かる。
床に落ちた小さな物、ケースやDVDの割れた破片でさえも、客観的な位置情報として脳内の地図に表示してもらえるのだ。
「おっ、外か……」
特にモンスターが引っかかることもなく、店外へと到達。
店の外観、入口から見える景色、【索敵】範囲内にて捕捉される物体の数々。
全て昨日と相違はなく。
これで客観的にも転移できていることが保証された。
「よし。じゃあ後は戻るだけか――」
再び店内へと移動。
そして降り立った場所、昨日に旗を立てた位置へと戻ってくる。
[
転移先候補
①第2旗:〇〇ショッピングモール7階 映画館ロビー
「なるほど。今度はこう表示されるのか……」
そしてちゃんと戻れそうなことにも安堵する。
行ったきりになって戻れなかったら、今日は多分合流できなかっただろうから。
「じゃ、行くか――」
再度、足元から光の粒が無数に上昇してくる。
浮遊感があった直後、視界には皆の姿が映っていた。
「あっ――マスター、お帰りなさい!」
真っ先にアトリが気づいて、その胸を弾ませて駆け寄ってくれた。
……凄い。
小さくだが、上下にバウンドを繰り返してる。
いや待て……アトリのトップスさん、今にもはち切れそうになってない?
レザーっぽい丈夫な素材に見えるのに、それを上回る成長とは……。
――【マナスポット】、恐るべし!!
「あ、ああ、ただいま。……ちゃんと転移できたよ。レンタルビデオ店、確認したけど中にモンスターもいなかった」
「凄いですね! お兄さん、普通に目の前からパッと消えましたから!」
「ですね。そして無事に帰って来てくださったわけですから」
水間さんはもちろんのこと、珍しくソルアも興奮したような様子だった。
場所の限定はあるが、それでも“転移”を成功させたという点がやはり大きいようだ。
「うん。……それで、どう? 今夜どこで過ごすか、ある程度話はまとまった?」
だが雰囲気的にそんな感じはなかった。
むしろ俺が戻ってくるまで心配してくれていたらしい。
「そっか――あっ、じゃあ誰か一回、一緒に行ってみる?」
同時に移動可能な人数が“旗の本数”、すなわち今は“俺+1人”が定員。
なので体験してからの方が、より選択肢として有り・無しの判断がし易いだろうと提案してみた。
「あっ、じゃああたし、お願いしてもいいですか?」
水間さんが真っ先に手を挙げてくれる。
「そう? 悪いね、何か実験みたいになるけど」
俺単独ではない、複数人での転移はもちろんこれが初めてだ。
なので若干の申し訳なさを覚えるが、水間さんは特に気にした様子もない。
「いえいえ。そういうカッコいい能力、やっぱり一度は自分も体験したいですから。――で、どうすればいいんです?」
早速と水間さんは旗へと近寄ってきてくれる。
「円の中に入って……もうちょっと近づいて」
<
確認のメッセージ、その中の“転移人数”が未だ“2/2”になっていない。
「もっとですか? これ以上となると……お兄さんに抱き着きでもしないとダメ、的な奴ですかね?」
「っ!?」
「あっ!」
「うっ!?」
いや、それは流石にないんじゃ……。
……って何か皆さん、凄い反応してませんこと?
単なる転移の実験ですって、そんなに皆もしたいの?
別に回数制限ないから、水間さんが終わったら順番にすればいいのに。
……だが、触れられる距離に水間さんが近寄ってくれても、人数に変化はなく。
それを察してか、水間さんは何か決心したというように、恐る恐る手を伸ばしてきた。
「では、その、えっと、失礼します――」
しがみつくように腰に回される、水間さんの細い両腕。
照れや恥ずかしさを隠すように、水間さんは顔を俺の胸へと預けて来た。
「……当たってるか当たってないかすら分かり辛い発展途上胸ですいません」
「いや、うん、大丈夫。そんな卑下することないと思う」
ちゃんと判別はできるから。
そしてしっかり当たってますから。
……何だろう。
普段のギャップでか、凄く可愛いく感じる。
改めて、水間さんも超ハイレベルな美少女なんだと実感した。
<
だがそれを口にすることはなく。
水間さんの思い切った行動のおかげで、転移人数がようやく“2人”に。
「よし、準備できたみたいだ。じゃあ行こうか――」
「えっ? あっ、は、はい。よろ――」
水間さんは、何か慌てて言いかけたようだが。
それが最後まで言い切られることなく転移が開始。
「――しくお願いします。……って、あれ? もう終わってる!」
無事、複数人でも転移を行うことが出来たのだった。
「へぇぇ~……――って、えぇ!? お兄さん、ここ、アダルトコーナーじゃないですか!!」
「あっ――」
その点をすっかり失念していた。
だが伝え忘れた申し訳なさを覚えると同時に。
初めて。
年相応に照れたみたく、顔を真っ赤にした水間さんを目にすることが出来たのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます