ガチャと奴隷と異世界ゲーム Qモンスターが歩き回るヤバい世界になりました。どう生きればいいですか? A異世界ガチャで美少女奴隷を当てましょう。そうすればボッチでも素敵な終末ハーレムライフを送れます!
第3話 初めてのガチャ。そして初めての異世界奴隷 ……★
第3話 初めてのガチャ。そして初めての異世界奴隷 ……★
「“ガチャ師”って……しかもスキル【異世界ガチャ】とは」
自分のステータスを初めて目にできて、感慨深い思いがなくはない。
だがそれ以上に、だ。
自分が手にしたジョブ、そしてスキルの内容に、何とも言い難い感情がどうしても先行してしまう。
<ガチャ師:ジョブ。ガチャを回すことにより、様々な恩恵を受けるジョブです>
ガチャ……ねぇ。
この世界が始まるその直前まで正にやっていたのもあり、親近感はある。
ただ、ガチャとはつまり運によって何か別の物を得るということだ。
昨日、帰り際に考えていたことが頭に浮かぶ。
『世界、変わんないかな?』という、他人任せな思考だ。
そんな俺にガチャのジョブが最適だというのは、実に皮肉が利いてる。
<異世界ガチャ:スキル。Isekaiを消費することでガチャを回すことができます。ガチャでは異世界ファンタジー特有のジョブ、スキル、能力値、アイテム、装備、その他、そして異世界奴隷が確率で排出されます>
「ふむ……まあおおよそ想像したような能力か」
だがそれで腐っていてもしょうがない。
こんな世界になってしまったんだ。
生きていくにはどんなものでもいい、力がいる。
幸い運営自体も『“生き残り続けること”だけ』がこのゲームの正義だと肯定してくれている。
つまり手法は何でもいい。
「だったら、ありがたく使わせてもらおう。俺の力――ガチャを」
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~通常ガチャ~
毎日1回ガチャ無料!
通常1回:20Isekai
10連:200Isekai
※10連ガチャの場合、★3以上が1つ確定
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①~【異世界ゲーム】ダウンロード記念~
初回限定10連無料!
★5異世界奴隷(女)1体確定!!
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②~
★5確定ガチャ券
※ジョブ、スキル、異世界奴隷のうち、持っていない物が排出
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ステータス上にある【異世界ガチャ】をタッチすると、詳しい内容が表示された。
通常ガチャの他、イベントもあるようだ。
「マジでソシャゲのガチャみたいだな」
そしてガチャの発動には通常“Isekai”がいるらしい。
通貨を入れて、ガチャを回す。
いよいよ現実のガチャ感がでてくる。
ちなみにそのスマホのソシャゲアプリは起動しようとしても立ち上がらない。
なので、俺の今までの努力は跡形もなく消え去ったものと考えた方がいいだろう。
……ぐすん。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
「じゃあまずは無料ガチャで試してみるか……」
使い方は体が勝手に理解していた。
【異世界ガチャ】のスキル発動を念じると、目の前の空間に大きな麻袋が出現する。
「……マジックバッグ? アイテムボックス?」
異世界ファンタジー特有のあれだ。
まあどっちでもいい。
そして<無料ガチャを回しますか?>との問いかけがなされる。
肯定すると、そのガチャ袋が光り輝きだした。
袋の光が極限に達すると、口元を縛っていた紐が緩み、そこから銅色の大きな光球が飛び出したのだ。
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ガチャ結果
●身体強化Lv.1 スキル ★★
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「おぉぉ~」
銅色で★2ということはおそらくノーマルか良くてレア、つまり普通な結果なんだと思う。
ガチャ演出はこんな感じなのか。
ウマな娘さんをお迎えするガチャの場合、ゲートの色が銀、金、虹色の別でレア度を判断する。
プリンセスとコネクトするソシャゲは、掲示板へと張られる依頼書みたいな紙の色の違いだ。
アイドル志望の子たちにシンデレラへの階段を歩ませるゲームは確か、新規アイドルの配属者名簿が演出に関わっていたはず。
そういう感じで、そのゲームの特色に合わせたガチャ演出がなされる。
この【異世界ガチャ】の場合は、異世界ファンタジーのチートでお馴染みのマジックバッグ・アイテムボックスを用いた演出ということだろう。
「で? この銅色の結晶を使えばスキルが得られるってことか?」
手にある銅の球・結晶を、先ほどの【ジョブの種】のごとく使用することに。
今度は食べるタイプのアイテムじゃなく、念じることで発動するタイプのようだ。
パリンッと結晶が砕け散ると、その代わりに発生した光のエネルギーが俺の体に入ってくる。
それでスキルの獲得を理解した。
[ステータス]
●能力値
Lv.1
HP:13/13
MP:8/8
筋力:9(+3)
耐久:6
魔力:4
魔法耐久:3
器用:5
敏捷:5(+3)
●スキル
【異世界ガチャLv.1】
【身体強化Lv.1】(New!)
「おぉっ、なんか動きのキレが良くなった感がある!」
ピョンピョンと2,3度、その場で跳ねたり、シャドウボクシングのまねごとをしてみる。
ステータスの数字通り、体の動きが取得前よりも良い。
実際にスキルをゲットして、それが自分の身体能力に反映されるという事実に、少なくない感動を覚える。
これが命懸けのサバイバルゲームでなければ、もっと喜び、高揚感に身を委ねられるんだけどねぇ。
「“
スキルを新たに獲得してこうなったということは、つまりスキルやジョブなどの取得限界を意味する要素か?
これ以上の能力を欲するならこの“容量”という値を増加させないといけないということだろう。
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次はイベントのガチャだ。
実際にIsekaiを投入して回すのもいいが、せっかく無料で引けるんだから。
こっち優先でいいだろう。
「“★5異世界奴隷(女)1体確定”……」
異世界もののWEB小説は好んで読むので、この文言に少なくない好奇心が生まれる。
大体は綺麗で可愛い美少女として描かれることも多いし、そんな人が来てくれるのならそりゃ嬉しい。
それに、異世界人の方が戦闘経験も豊富で強いだろうしね。
そっち方面で助けてもらえてもありがたい。
「……でもどういう感じで出てくるのか、全く想像がつかないな」
これはもう実際に回してみるしかない。
先程のように、今度はイベント欄をタッチし、ガチャを回す選択肢に触れる。
また大きな麻袋が出現し、10個の光を吐き出す。
「おっ!? 確定演出か!?」
“★5確定”と書かれていたように、ガチャの演出にも変化があった。
マジックバッグの光が最大になる瞬間、いきなり虹色の光が宿る。
そして排出される10個の光球の内、一つにその虹の光が反映されていた。
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ガチャ結果
①HP+1 能力値 ★
②下級ポーション アイテム ★
③耐久のネックレス 装備 ★★
④
⑤下級MPポーション アイテム ★
⑥【MP上昇Lv.1】 スキル ★★★
⑦筋力+1 能力値 ★
⑧ただの剣 装備 ★
⑨5Isekai その他 ★
⑩ソルア・ルクスティー 異世界奴隷(女) ★★★★★
計:★1×6 ★2×2 ★3×1 ★5×1
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「おぉぉ~」
【MP上昇】は銀色の結晶だった。
それを直ぐに使用して、改めて更新されたステータスを見る。
[ステータス]
●能力値
Lv.1
HP:14/14
MP:12/12
筋力:13
耐久:6
魔力:4
魔法耐久:3
器用:5
敏捷:8
●スキル
【異世界ガチャLv.1】
【身体強化Lv.1】
【MP上昇Lv.1】(New!)
1015Isekai
能力値の上昇も出るのは凄くありがたい。
HPとMPはあまり実感はないが、確実に上がってはいるのだろう。
で、“
それに筋力やHPと同じ“+1”なのに★は“★2”とレア度が一つ上になっている。
やっぱり容量の能力値はそれだけ重要なんだ。
「他はアイテムと装備と5Isekai……」
どれも実体化はしておらず、全部それぞれのレアリティ―に合わせた色の結晶となっていた。
★1は白、★2は銅、★3は銀という具合だ。
これなら持ち運びも楽だし助かる。
そして最後に――
「“ソルア・ルクスティー 異世界奴隷(女) ★★★★★”……」
虹色に輝く結晶を手に取り眺める。
その瞬間に使い方がやはり自然に理解できた。
これを壊して発動すれば、対象の女性をここに召喚できるらしい。
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●ソルア・ルクスティー ★5
異世界にある教会の神官剣士。
人族で17歳の女。
バランス型の魔法剣士で、剣術と光属性の魔法を使いこなす。
覚醒させることができれば、更に真の実力を発揮することができるようになる。
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結晶に意識して触れると、画面のように説明文が表示された。
そして異世界ものによくある、水晶によって遠方の映像を見ることができるように、結晶に映像が流れだした。
「これが……“ソルア”?」
金の髪を腰まで流した女性が、そこには映っていた。
音声はない。
一目見て絶世の美少女だとわかるこの彼女が、対象の女性だろう。
だが――
「……えっ、でも、大丈夫なのか?」
その映像で見えた
“奴隷”という表現が使われるくらいだから、大なり小なり良くない状況なのは想像できた。
しかし結晶に映っている女性は、両手は鎖で縛られ、両足は枷で拘束されていたのだ。
『…………』
『…………』
そしてそこには他に登場人物が二人。
一人は明らかに奴隷商人っぽい見た目をした小狡そうな男。
もう一人は――
「うわっ、なんて悪人顔したオッサンだ……」
比喩的な意味でも、実際の体という意味でも私腹を肥やしていそうな男だ。
そいつが品定めするかのようにソルアに近づき、ソルアの顎を醜い手で掴む。
欲望を隠そうともしない下品でいやらしい目が、彼女の美しい顔や豊かな胸元、綺麗な脚を舐めるようにして見ている。
「凄いな……まるでお手本のようなゲス野郎だ」
ソルアは逃れようとするかのように身じろぎするも、固い拘束がそれを許さない。
その姿さえも官能的で欲望をそそるというように、太った男は粘着質な笑みを浮かべる。
――あっ、これ、ダメな奴だ。
男が商人にお金を払おうとする段階になって、大まかな事態を把握。
要するに、あいつはソルアを買おうとしている客の可能性があるのだ。
「買われる前に使えってことだろうな、うん。よし――」
異世界の奴隷を召喚するということで、結晶を使うのを躊躇う気持ちもどこかにあった。
しかし、事ここに至っては悩んでいる暇はない。
そんなことをしていたらR18展開待ったなしである。
未だ映像が続いている虹色の結晶。
それを砕き、発動した。
「あっ――」
直後、部屋の中央、光の輪が出現する。
魔法陣だ。
そこに、さっきまで見ていたあの
目の前、直ぐ手が届くところに、である。
だがそんな感慨深さに固まっている暇などなかった。
「きゃぁぁっ!?」
ソルアはその両手両足が拘束されたまま召喚され、落ちてきたのだった。
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