第55話

3週間が秒で終わった。

そんな経験は皆様あると思います。

もしかしたら年単位ですら数秒感覚で過ぎる人もいるかもしれません。

そんな感覚でしたね。


「と、言うことでここが私の家です!どうです?」

てっきり洞穴だと思っていた。

だってドラゴンが暮らす家なんてその場しのぎのもので済ませているとばかり思っていたから。

だから適当な反応も絶妙な顔の練習もこっそりとしていたのに、めんたまをひん剥いて見たらそれはそれは、ご立派な和風な御屋敷が…。


「んへ〜すげー」

自分って予想の斜め上のものが来るとそんな反応になるんだなー、ひとつ自己分析ができてしまった。

「…えっ、?それだけですか?」

シュナ本人はもっと違う反応を想像し、期待し、待ち望んでいたのだろうか。

「うーん、すごい…すごー。んほー」

脳が処理落ちした、語彙力が旅立った。

「HAHAHAHAHAHAHA‪☆」

ショートした頭が戻らない。

「HAHAHAHAHAHAHAw」

なんで和風なんだよ。ドラゴンじゃねぇのかよ、せめて洋モノであれよ。お城であれよ。

キャッスルであれよ。これは違うだろ。なぁ。


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