第47話
「で?これ何の話?」
あまりにもグダグダしすぎて何してたか忘れました。
「全てを無にして最初からやり直したら、要は私を仲間にしてください。ということですよ」
「はあ…そうですか。ありがとうございました。ではまたの機会に」
そう言ってスっとフェードアウトしようとしたけれど
「どこへ行くんですか?逃げようとしますか?人間ごときが龍から?ハッ、無駄なことですよ。灰も残らず消してやりますよ」
怖い、怖いよこの龍。嫌だ物騒。
でも防犯には役立ちそう、対不審者にはもってこい!ってやつだよね?これからの時代は1家に1台終末とか呼べちゃう龍!
「聞いてるんですか?」
「いえ全く」
いえ全く。
「ハッ、しまった心の声が」
「さすがに私も傷つきますよ?泣いちゃいますよ?ドラゴンフォームで。終末呼べちゃいますヨ?」
そう言って半べそをかいている、可愛いな子。あ、龍か。
「わかった、一緒に行こうよ。一人旅は寂しいからさ」
「ほんとですか?!ホントのホントにホントですか?!」
うっはー…目ェキラキラしてる…尻尾ブリンブリン振ってる…可愛い…。
世の中の人類が犬やら猫やらハムスターやらを奇声あげながら写真とか動画を撮る気持ちが今わかった。
「嘘じゃないですよね?途中で捨てたりしないですよね?精一杯頑張るので!私…」
上目遣いヤバっ…目うるうるなのヤバたん…このビジュアルでこれされたらやべぇや。今その辺に休憩できるところあったら私は俺になれる。
と、助平なことを思いつつも言葉や仕草の隅影を覗かせた不穏な過去には触れないでおくことにした。
「シュナはさ、なにか目的があるの?あ、私名前名乗ったっけ?」
「さあ?初対面が
「確かに、え?ないの?最強の龍になるとか、長になるとか、そういう感じの」
「特にないです、私争いごと嫌いなんですよ」
「そっか。私もなんだ。だからのびのび暮らすことが目標」
「じゃあ私もそれに参加させてください」
「モチのロンよ。よろしくね、シュナ」
「よろしくなのです!で、誰なんです?結局」
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