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食連星
第1話
「ブース男ばっかいない?」
「時期的なもんじゃない?」
「かぁ.」
御返しの制度もめんどいけど,チョコはしっかり食べた.
部員仲間とお返し選び.
大体似たり寄ったりじゃないのかなー的な.
一番下っ端が任命されるとか,よくある話.
今,子ども連れのお父さんらしきが
お会計してる.
「テスター.」
指差すと,同級生もノル.
「試すの大丈夫なやつねー.」
「そっそ.」
「適当でいいんじゃない?
潤えばいいって.」
「潤うプラスで香り重要じゃない?
見た目好みの子が,更におぉってぐっとくる香りしてたら,
まじ良くない?」
どっか目がいっちゃって…
「あっぁぁー.
それいいね.」
かえって来た.
「でもさー.」
ざっとせわしなく目を動かして,
「あー.」
「そー.」
「分かるよー.」
「まじで種類くっそ多くない?」
「だよー.」
「片っ端からローラー?」
「作戦?」
そうっ!って指さし合って,
「どっちいく?」
どっちからいく?
「俺,靴右から履くと調子いいから.」
「だから?」
靴やねーだろー.
「右から行く.」
「どうぞーそこに俺こだわり無いから譲るわ.」
じゃあ,左からかー.
「おっ.」
「何ー?」
「これ良くない?」
「一発目からー?
このペースじゃ終わんないってー.
分担でしょ?
でも,匂わせて.」
ほらよ.
「ちょっ手ぇ近いって.」
「お前も,それ実験時やん.」
「だははっ.
アンモニア.」
「ばっかだろ.」
脱線酷過ぎだ.
「匂いするー.
こんな香り好み?」
「良くない?」
「もっとスキっとした方がいい.」
「好き?ライク?ラブ?」
「違う.それ意味わからんやん.すっきりの方.」
「じゃあ,いいのあったら出して.こっちに.提示.」
「おぉ.」
なんか真剣にし始めたんで,こっちはこっちで勝手にする.
3,4個タイプの香り.
マネージャー3人だから,先発決めて,あと補欠…いやサブで…
パッケージは,こっちがいいんだけど.香りは,今日一これ.
あー.
「なぁ.」
「決まった?」
「これ,におい良くない?」
「においって.
まぁいいや.手貸して.
差し出し方ー.姫やん.」
「手じゃなくて,テスター出せばよかった…
ここ。この辺が好きなやつ。」
「確かに.テスターで事足りるな。
あーここね分かった。」
「鼻付けんな。」
「ピンポイント嗅ぎ分けるって結構難しいからなっ。
探知犬じゃあるまいし。」
「ここっ。ここって。
ちょっと待って。自分もわっかんなくなる。
あーやっぱ、ここ。」
分かってるよ、きゃんきゃん言いやがって。
「あー…なんかお前の概要欄だけ分かった.
もっと甘い方が好き.」
「合わないな.」
「香りの好みはね…
グラウンドにかけるローラーは嫌って言ってた。
俺あれ嫌。怖い。コンダラ。」
「あーそこ同意。コンダラ俗称でしょ。
ちなみに、あれは押して使う。」
「何その説明じみた感じ。」
「あー匂い過ぎて頭痛い.もう,これ終わりでいい.
やめやめ.」
「そっちの,すっきり入れとく?」
「せっかく頑張ったから成果として入れたげて.」
どれ外すかなー.
「じゃあ,それと,これとこれ.
いい?」
「もう,いい.なんでも,いい.ここ後にしたい.
かいけーい行こ.」
あ…
7778ってレジ表示されて,めっちゃ微妙に外すやん.
「うー手がー。」
「目がーみたい。」
「あー色んなにおいして駄目だー。」
「確かに混じって酷いね。」
「テスター鼻に突っ込めば良かったんじゃない?」
「もうそれ、マジでヤバいに足突っ込んでるどっぷり。」
「ローラー?粛清対象?」
「ローラー。
不潔は、マジでヤバい。
踏み固められるよ。」
「知ってる。駄目な事だし駄目な事になるって事。
しないよ。出来ないよ。ただ言ってみただけ。」
「軽口も今駄目だから。」
「うん…良くない事言った。悪かった。」
「隣居たから知ってるよ。
綺麗に試してた。」
「鼻馬鹿になってきたかも…
だけど息苦しい。」
片手で目をこする同級生見ながら酸素を探して深呼吸をする。
「冷静に考えたらさ。」
「何。」
「2つしか試せなくない?
だから、やっぱ普通に手で試せばいいんだよ。」
「冷静処がおかしい。」
ツッコまれて楽しいのか楽しくないのか分かんないけど、
笑い合って次飯かな。
「ちょっと早いけど御飯行く?」
「先ずもって手ぇどうにかしない?」
「塗りたくってんのに?」
「塗りたくってんからー.
においあるのに御飯屋行くの不快なんよな.
飯食いに行ってんのに,におい食べてる気になる.
合成的なにおいを.
手洗い行ってい?トイレ.
かっ滴り落ちるまでランニングする?」
「あー手洗いで.」
もう,その一択しかない.
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