不吉な数字は7

白鷺雨月

第1話不運な数字は7

昔から7がつくことにはろくなことがなかった。

受験番号の末尾が7で、志望校には落ちた。

両親が事故でなくなったのは7月7日だった。7番ホームから出る電車に乗ると人身事故で就職の面接に遅刻し、その企業の面接は落ちた。

そして7がつくコンビニから出たら、鳥の糞が頭に落ちてくるのだ。


俺はできるだけ7がつくことから逃れるように生きてきた。


しかし、俺は決断を迫られている。

どうにか入社できた会社で働くこと7年目にして。

目の前に背の高い、美しい顔をした女性が恥ずかしそうに、照れながら俺の顔を見つめている。


安楽あんら吉良きら先輩、私はあなたのことが大好きです。ぜひおつきあいしてほしいんです」

その背の高い美女はふーと大きく息を吐いて、そう言った。

キラキラした大きな瞳でじっと俺のことをみつめている。

女性から告白されるなんて29年の人生ではじめてだ。彼女がいない歴と年齢が同じ俺はもちろん童貞である。

その俺がまさかこんな美女から告白されるなんて。しかも巨乳なんだよね。

でも俺がためらうにはわけがある。

それは彼女がなにかと7にまつわることがらが多いからだ。


目の前にいる背の高い美女の名前は七野しちの夏菜なな。身長は177センチメートルで胸のサイズはGカップ。誕生日がなんと俺の両親の命日と同じ7月7日。足のサイズは27センチメートルとけっこう大きい。

そして年齢は7つ下の22歳。

7がつく歩くデパートといっていいだろう。


こんな7だらけの女性と付き合ったらどうなるか。恐ろしくて仕方ない。

せっかくの申し出だが、俺は断ろうと思う。こんな7だらけの人と交際したらどんな不幸に見舞われるか想像するだけで恐ろしい。


断ろうと口を開こうとしたところギュッと抱きしめられた。俺のその顔をGカップの胸に押しあてる。

「先輩のこと私が守ってあげる」

結局俺は夏菜とつきあうことになった。結婚し、7人の子供にめぐまれた。


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不吉な数字は7 白鷺雨月 @sirasagiugethu

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