第9話



咲と凡太の仲がやけに深まったところで

分かれ道に差掛り。。


咲「今日は急にお邪魔しました

 案外楽しかったです」

そう言って咲が凡太に小さめの紙袋を渡した

中にはクッキーの詰め合わせ。


凡太「僕も詩織の焦る顔が見れて

  今日は2倍楽しかったよ

 咲さんありがとう」


こいつにもこんな気遣い出来たんだな…

咲「なによ。」


顔に出ていたようだ…。


2人になった帰り道

なんとなく沈黙が続いた後


咲「今日はありがと、」


「おう、、咲もお疲れ。」


それから家に着くまで

僕らの間には風の音だけが

さらさらと吹いた。



・・・自宅


咲「麗子さんただいまー‼」


そう言って咲は玄関を勢い良く開け

母に紙袋を渡した。


中にはマカロンと焼き菓子達


母は少し驚いていたようだが

母「詩織とのお出掛けはどうだった?

  これは明日のお昼一緒に食べましょうか」


そう言って嬉しそうに棚になおした。


息子からは何もなくてすみませんね。


咲が来てからこの家には笑顔が増え

ぼくの身体は健康体になったようだ。


とはいえ基本の行動は変わらないけど


咲はたまにスマホを見つめている

寂しそうな横顔をたまに見掛けるけれど

ぼくは見なかった振りを何日も繰り返した



ぼくはまだ咲がここに来た理由を知らない


まだ、夏休みは終わらない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る