人生、幸運なんてそうそう訪れない。
そんなことよりも「どうしてこんな目に」、とそう思うようなことばかりだったりする。そんなことを思いながら年月ばかり重ねたりして。今日も今日とて、せめてもの贅沢にと缶ビールを買って公園でチビチビと呑んだりするのだ。
主人公もそんな風に、人生のアンラッキーを呪うアラフォー女。
そんな彼女が公園のベンチで座って酒を飲んでいると、隣に人がいることにも気づかず泣いている、自分と同じくらいの歳に見える男を見て、興味本位で話しかけるが……というお話。
今日も今日とて僕らはどっこい人生を生きる。
それは不幸ばかりの人生かもしれなくても、その中に、小さくとも幸運な出会いがあるからなのかもしれない。
そんなことをしみじみと思い、悪くない意味で酒にも手が伸びる一編。