アンラッキー7
伽藍青花
第1話 アンラッキー7
今日は、7月7日。
7時7分に目が覚めた。
最悪だ。
今日は用事があって、7時20分の電車に乗らないといけないのに。
乗り遅れると次は1時間後。
準備に最短で5分、駅までは10分かかる。
急いで準備して、駅へ走る。
ギリギリ7時19分。
間に合った――と思ったら、今日は時間がずれていて次の電車は7時40分。
それでも全然間に合うし、20分もあれば準備どころが軽い朝食も食べられた。
最悪だ。
最悪の出だしだ。
出発前にどうにかカバンに入れたゼリー飲料を飲みながら、汗だくで電車を待つ。
暑い。
用事が終わって涼しい部屋から出ると、蒸し暑い空気が体にまとわりつく。
カバンからペットボトルを取り出したが、一口もない程度の量で空になった。
朝から走って、飲んでいたからなくなるのは当たり前だが。
自販機を探して街をうろつく。
7つの交差点を通り過ぎて、7分ほど歩いてやっと自販機を見つけた。
空になったペットボトルを隣のリサイクルボックスに入れる。
麦茶を買って、しゃがんで取る。
そのとき、上の方から音が鳴った。
ルーレットのところを見ると、7777と光っていた。
最悪だ。
今、カバンにはペットボトル1本分の隙間しかない。
こんなタイミングで当たるなんて。
もったいなく思いながらも、放置して帰る。
帰りに寄ったコンビニで、ビールとおつまみを買う。
777円。
めんどくさい値段だなぁ、と思って財布を開く。
最悪だ。
硬貨が776円。
千円札を渡して、おつりを貰う。
財布の硬貨入れがパンパンになった。
今日は、最悪の日だ。
このイライラを発散したくて、趣味で書いている小説投稿サイトに今日の出来事を書きなぐる。
777字になった。
また7か。
今日の最悪な出来事は7がかかわっている。
七転八倒とも七転び八起きとも言う。
割り切れもしないし、微妙に多いから扱いの困る7。
だから7は最悪な数字だ。
きっとこの文章も誰も見ないのだろう。
アンラッキー7 伽藍青花 @Garam_Ram
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