クマゲーム〈脱落したら、クマ〉

緋色 刹那

🤡

 過激派クマ組織「BEAR」により、「全人類クマ化計画」が始動。

 世界各地で「選別」と称したデスゲームが行われ、脱落者は問答無用でクマに改造された。

「君達はクマになれる権利を得たクマ! 光栄に思うクマ!」

 デスゲームの主催者にして「BEAR」幹部・オークマーは高らかに宣言する。

 会場に集められたのは、七人の男女。全員大学生で、ジビエサークルに入っている。先日、七人でクマ肉を食べたので、「BEAR」に目をつけられたのだ。皆、不安げに互いの顔を見合った。

「第一の関門ゲームは運! そこの七つの部屋に一人ずつ順番に入ってもらうクマ。ハズレの部屋を引いた運の悪ぅい人間は、クマに生まれ変わってもらうクマよ」

 部屋に入る順番は自由だった。

 話し合いの末、じゃんけんで決めることになった。

「よっし! 俺が一番!」

 最初に勝ち抜けたのは、タクマだった。

「どの部屋にするクマ?」

「7番に決まってるだろ! ラッキー7って言うくらいだ、アタリ以外ありえないね!」

 タクマはドアに「7」と書かれた部屋の前に立つ。仲間達は後ろで心配そうに見守った。

「タクマ、気をつけてね」

「あぁ。先に行ってるぜ、アビー」

 タクマは心に決めた。

(このゲームを勝ち抜いたら、アビーに告白しよう。大丈夫……7はラッキーセブンの7なんだから)

 余裕の笑みすら浮かべ、ドアを開く。

 すると、

「グマッ!」

「グマッグマッ!」

「グマッソー!」

「……」

 部屋は筋トレ中のマッスルなクマ達の溜まり場になっていた。禁止ハチミツでドーピングしているのか、目が血走っている。

 タクマはとっさにドアを閉めようとしたが、中から鍛え抜かれたクマ達の腕が伸び、捕まった。

 その時、タクマは思い出した。今朝の占いのアンラッキーナンバーが「7」だったことを。

「や、やめろ! 俺はクマにはならな……ギャァァァ!!!」


「フェフェフェ……さぁ、ゲームはこれからクマよ」


(終わり)

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クマゲーム〈脱落したら、クマ〉 緋色 刹那 @kodiacbear

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