幸福魔法を使う少女と反転魔法を使う少年

五三竜

2人のアンラッキーな旅

ある日、突如道の真ん中に穴が空いた。その穴はとてつもない吸引力を持っており、自分は為す術なく吸い込まれてしまった。そして、目が覚めるとそこは知らない場所で、目の前にとてつもなく可愛い少女が立っていた。


━━それから1年がたった。2人は紆余曲折ありながらも次第に仲を深めていった。そして……


「ギャフッ!」


「またか?最近よくコケるな」


「ギーくんのせいだよ!私の幸福魔法をすぐ反転するんだもん!」


「仕方ねぇだろ!これはオートスキルなんだよ!……はぁ、もう危ねぇからこっち来い」


女の子は近寄って来た。2人はそのまま歩き出す。


この1年でわかったことは、自分は反転魔法を使えて、少女は幸福魔法を使えるということ。そして、どちらもオートスキルだと言うことだ。


だから、少女は常にアンラッキーなのである。


「あれ?」


ビリビリビリ!という音が響いた。そして、少女の来ている服が全て破れる。


「またか、もう変えはないぞ」


「そんなぁ!……あ」


次は足を滑らせ前に倒れる。そして、その先には先程作ったケーキが……


ブチャッ!


「……うぅ……うわぁぁぁぁん!もう嫌だよぉ!」


「大丈夫か?」


少女はコケたせいで泣きだした。そして……


「熱っ!?」


お尻に炎フラワーの火の粉が当たった。更に……


「ひゃぎゅっ!」


体を木に打ち付ける。


「あれ?お前靴どこにやった?」


「え?あれ?嘘……無くしちゃった」


流石にここまで来ると呆れてしまう。


「どうしよう……?」


「裸足しかないな……て、言ったそばから!」


少女の体が突然軽くなる。どうやら地面が抜けたらしい。下には丸太があった。少女はそこに力強く股を打ち付けた。


「あ……」


「……うぅ……うわぁぁぁぁぁん!」


「……はぁ、しょうがない。”クロノリバース”」


魔法で時間を戻し助ける。しかし、痛みは戻らない。


「これで今日は7回目、アンラッキー7だな」


いつも通り助けてそう言った。

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幸福魔法を使う少女と反転魔法を使う少年 五三竜 @Komiryu5353

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