アンラッキー7だとおおお!

野林緑里

第1話

 今回のお題はアンラッキー7



 はあああああああ!?


 ラッキー7ならいいけど、アンラッキー7!!?



 なぜ人に不幸なことを七つも公表せねばならぬのだあああああ!!



 悲鳴しかでねえ!



 ムリムリムリ!


 そりゃあ、不幸な出来事はそれなりにあるよ。


 ありはするさ!


 だけど、それをお題にするなんてどうかしてるよ!


 まじ


 最悪!!






「うるさああああい! 先生! 幸福くんがうるさいです。 黙らせてください!」


 うわっ、もしかして聞かれてた!?


 めちゃくちゃ聞こえてたのか?


 俺は教室を見回す。


 だれもが俺の方に注目し、冷ややかな目を向けているものもいれば、あきれかえってるもの、クスクス笑っているものさまざまだった。


「幸福! おまえはもう少し静かにしなさい。考えていることを大声で叫ぶんじゃない。ほかのやつらの迷惑だ」


「そうそう。こっちは一生懸命にアンラッキーなこと考えているのに、台無しじゃん」


「まじで空気読めって感じだ」


 とまあ、そんな感じでクラスメートから次々とクレームを受けているわけだが、おまえらはこのお題を不満に思わないのか?



 不幸なことを七つもさらけ出すんだぞ!?


 アンラッキー7ってお題で七つもだぞ!?


 クラスメートの目の前で発見するんだぞ!?


 平気なのか!?


「別にいいんじゃないの?」


 すると俺のとなりにいる学級委員が原稿用紙に鉛筆を滑らせながらいった。



「そうそう。テキトーでいいんだよ。テキトーで」


 俺のすぐ後ろのこの時代には珍しいリーゼント頭で足を机にのせて座っている男がにあっけらかんという。


「とにかく。幸福はこれからしゃべるな。作文書き終わるまでしゃべるな」


 はあ?


 何を書けってんだよ!?


 七つも!!?



「幸福。おまえ勘違いしていないか?」


 先生の言葉に俺は首をかしげる。


「アンラッキーを七つ書けとはいってないぞ」


「だってアンラッキー7だろ? 不幸なことを七つかけってことだろ?」


「すまん。すまん。先生の言い方が悪かった」


 すると先生は突然一枚の写真を取り出すと俺たちに見せた。


 そこにはまだ五歳ぐらいの女の子が写っていた。



「俺の愛する娘アンのラッキーセブンを書いてくれってことさあ♥️」



 はあ!?



 なんだよ!?


 それ!?



 アンのラッキーセブンってなんだよ!?


 つうかお前の娘なんてしるか!?


 この親バカめが!?



 おそらくクラスのだれもがわけのわからんお題を出すこの親バカ国語教師にツッコミを入れたに違いない。






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アンラッキー7だとおおお! 野林緑里 @gswolf0718

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