7からは逃れられない【KAC20236】

細蟹姫

7からは逃れられない

 7が幸運の数字だなんて、誰が決めたんだろう?

 ラッキーセブンは野球が由来(諸説あり)だと、どれだけの人が知っているのだろう?

 野球にこれっぽっちの興味も無い私にとっては、7はその他の数字と何ら変わらない。むしろどちらかと言えば不幸な数字だ。


 7歳の時、大好きだった祖父が亡くなった。

 翌年祖母が亡くなった時、病院で医師が告げた時間は7時7分だった。

 7月生まれの弟とは馬が合わなくて喧嘩ばかり、怒られるのはいつも年上の私だし。

 自転車で事故って大怪我したのは、7月7日だったっけ。


 考えれば他の数字にだって、幸運な事も不幸な事もたくさんあるのだろう。

 そんなものはこじつけかもしれない。

 正直、1~9までしかない数字に一喜一憂して踊らされているのって馬鹿らしいなとも思うのだけれど…人間の性なのかな? どうしても気になってしまう。

 そして、事ある事に、そこに7の数字を探してしまう私にとっては、7はやっぱりアンラッキーな数字なのだ。



 さて、そんなアンラッキーナンバーの活用法。


 私は、嫌な事があるとそれを紙に書く。

 真っ白い紙を埋め尽くすように、怒りに任せて読めない字を書きなぐる。

 そして丸めてビンの中へ。

 それが7つ溜まったら、ビンの中に火をつけて全て燃やしてしまうの。(※マネしないでね。)


 炎の揺らぎ、炭化していく用紙、焼け焦げて広がる煙の臭い。

 それらは自然と心を満たしてくれる。

 ビンの中に残る、吹けば飛んでいきそうな灰を、金属棒でさらに粉々にしていくと、気づいたころには大嫌いな7もそこから消えて無くなっていて、私はまた、新しい気持ちで日々をスタートできるという訳だ。


 こうして大嫌いなアンラッキーナンバー、7との折り合いをつけて日々を過ごしている私。

 だけれどもね、私にはどうしても一つだけ、折り合いが付けられない事がある。

 逃れられない7。7の呪縛。


 それは、私の名前がって事。

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