素敵な彼

ニ光 美徳

第1話

 私の名は山田やまだ 姫七きな


 付き合って3年になる彼がいる。


 学校を卒業して、大手とまではいかないけど、そこそこ大きな会社で、安定した優良企業に就職した。その同じ職場で知り合ったのが彼。


 彼とは同期入社で、新人研修の時に同じグループになった時、すごく気が合って間もなく付き合うことになった。


 彼は見た目はそんなに女子受けするような感じではないけど、私にはすごくタイプで、モテなさそうなところが逆にすごく安心感があっていい。

 実際一途で、かと言って束縛もなく、丁度いい距離感でいてくれるので、一緒にいてすごく楽。


 一度占いで見てもらったけど、「彼とは相性が抜群ね。それに、彼はあなたとだったら浮気はしないわ、絶対。」と太鼓判を押された。


 そしてなんと、付き合って2年が過ぎた頃、彼はこの会社の跡取りだということが発覚する。


 部長クラスまでは知っていたけど、それより下位の者にはオフレコだったのだけど、入社して2年が経ち、もういいだろうということでオフレコが解除になって知らされた。


 私は隠されていたことに少しショックを受けたけど、親や会社との約束をきちんと守る人なんだと思って、“この人は信頼できる人”なんだと思った。


 そして3年が過ぎ、とうとう待ちに待ったプロポーズの日を迎えた。

 夢にまで見たこの日。

 最高に幸せな日ー


 もちろん私は2つ返事でオッケーした。


 でも、こんな夢のような結婚を前にして、私はマリッジブルーになったみたい。

 結婚していいのかどうかすごく迷っている。


 何故なら、彼の苗字が『庵楽あんらく』だから。


 どこも変な苗字じゃない。むしろ素敵だと思う。


 でも、私が結婚すると


庵楽あんらく 姫七きな』になってしまうの…。

 そう、アンラッキー7。


 付き合ってる時は気付かなかったの。

 でも、ふと気付いたら気になっちゃって…。


 でも、無事にマリッジブルーを抜け、めでたく結婚となりました。


 私は超幸せな『庵楽姫七アンラッキー7 』です。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

素敵な彼 ニ光 美徳 @minori_tmaf

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ