第131話
『……もしかして、俺みたいな奴と遊んでるのバレた?』
「えっ……?」
『やっぱりか……めっちゃ怒られたんちゃうん? ごめんな』
寂しげに謝る志鬼に、あゆらの胸が締めつけられた。
「どうして志鬼が謝るのよっ、何も悪いことしていないんだから、謝らないで」
『いやあ、あれだけ
「それは私が好きでしていることだもの、お願いだから、そんなことを言わないで」
何一つ、嫌なことなどされていないのに、なぜ志鬼が悪者になってしまうのか、その不条理があゆらには辛かった。
「志鬼、私ね、今日のこと、とても楽しみにしていたのよ。だから、これに懲りずにまた誘ってほしいわ……あ、志鬼の迷惑でなければ、だけど」
『……迷惑なわけないやん、めっちゃ嬉しいんですけど』
ドタキャンしてもあきれたり怒ったりする様子もない志鬼に、あゆらはとりあえず一安心した。
しかし、電話の向こうにいる志鬼は、突然のパーティーに何か嫌な予感がした。
『あゆら、その、パーティーって……』
「パーティーがどうかした?」
『……や、なんでもないわ、また連絡するな』
「ええ、私も。本当に今日はごめんなさいね」
『ええって、あゆらが悪いんちゃうし……ほな』
志鬼のその声を最後に、名残惜しくも通話が途切れた。
「あゆら様、お
「金髪で」
「——えっ!?」
「冗談よ」
あゆらは艶やかな髪を掻き上げ、自嘲気味に笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます