第46話
「それって、恐喝みたいになるんじゃ」
「あっちが卑怯な手使ってくるのにこっちだけ正当方では太刀打ちできんで。もちろんちゃんと事実を公表してくれたら済む話や。あれが自殺やないことは俺がこの目で確かめてる。後日自殺やって嘘の知らせが出た時点で、速攻で動く。……帝とやらが、大人しくしてるうちに、な」
そうだ、とあゆらは思った。
事件が落ち着くまでは清志郎は目立つ行動を控えるだろうが、その後また新たなターゲットを見つけるに違いない。
そうすれば第二、第三の美鈴のような犠牲者が出かねないのだ。
「あゆらは美鈴って子と昔から仲良かったんやろ? なら、親から解剖した担当者の名前を聞き出してほしい。嫌な役回りにはなるけどな……」
「いいえ、やるわ、私にできることなら、なんだって」
あゆらの迷いのない凛とした瞳に、志鬼は強く引き込まれ、不謹慎な考えがむくむくと顔を出す。
「そうやなーあ、けっこう危ない橋渡ることになるしな、ちょっとくらい報酬があったら嬉しいけどなーあ」
チラチラ横目で見てくる志鬼を、あゆらは怪訝な顔で見返した。
「な、何よ今更、無料じゃなかったの?」
「金なんかいらん、一番の報酬がここにあるやん?」
そう言って志鬼はあゆらの顔を指差した。
「そうや! この件が無事に解決したら一発やらせて!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます