ホワイトデー

勝利だギューちゃん

第1話

「はい」

女の子から、手を差し出される。

クラスメイトの女の子。


僕はその手を見る。


「生命線も長いし、健康線も長い。でも、結婚運が数本あった。

浮気はしないように」

「どうも・・・って、誰が手相を見てくれって言ったの?」

「違うの」


女の子は怒っている。

何でかわからん。


「違う。今日は何の日」

「3月14日」

「正解。何の日だ?」

「国際結婚の日」


1873年のこの日、明治政府により定められた。


「雑学はいいから。はい」

「女の子は手を差し出してくる」

「だから何?」

「ホワイトデー。バレンタインのお返しの日」

「くだらない」

「私はあげたでしょ?」

「記憶にない」


バカバカしい。


「みんな、お返しくれたよ」

「何人にあげた?」

「クラスの男子全員と+α」


お返し目当てだな


「みんなはみんな。俺は俺」


「もういい」

何怒っているのだ?


女はわからん。


「もう、いい」

その日、私は怒りながら帰宅した。

バレンタインのお返しを期待していたわけではない。


彼は気づいていなかったが、私が贈った唯一の本命。

なので、殻からは期待していたのが本音。


帰宅すると、弟から声をかけられる。

「荷物が届いているよ」


テーブルの上に、私宛の荷物が届いていた。

差出人は、彼?


私は開けてみる。

すると、そこにはイヤリングがあった。


「バレンタインは、ありがとう。

お返しにこれを贈る。

ハンドメイドだ。

世界に二つとない。

これで勘弁」


なんだ。用意してくれてたんだ。

私は嬉しくなる。


そして、私は彼に電話をした。

ドキドキする。


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ホワイトデー 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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