おまけep117 スキスキ瑠璃光世界
妙は萌と別れて家路を急いでいた。
愛する妻の愛を満たすため、自らも底なしにみちるを求める先攻に徹することを決意して。キラーン。目がギラついている。ちょっと危ないやつにも見える、でも美人過ぎて通りすがりの人を何人か眼力だけで魅了してしまった。
「くっ・・・夫婦の一大事だというのに、、なぜか今日はよくナンパされる。。なんなんだ一体・・・。」
底なし重力ワールドによるよちよち歩きはそろそろ匍匐前進になりそうな妙。
「っていうか、今がまさに、好き過ぎてどうしたら良いんだろうの渦に入り込んでいる気がするんだけどな、、。あ、そっか。本人には伝わらないもんね、、。」
みちるちゃん、今帰るからね!問答無用で押し倒すからっ!!!
ああ、運命とは、、このように人間を空回りさせるものか。
つってな。この人達は基本、恋愛脳です。恋愛脳カルテットなんです。えっと、まず萌が先に自分ちに着いてます。そして香織に今日の話を逐一報告していますね。ゲラゲラ笑いました、香織はそういうやつです。
そしてそして、香織はみちるに報告していますね。頭の中、小学生だから、、これから妙が一念発起するとかそういうの、空気読まないっすね。報告するだけして、萌といちゃつきますね。
妙がよちよちしてる間に、みちるは感極まってますね。
「わ、私のために、、あの人が、、そこまで・・・!!」
なんつってね。安いミュージカルですわ。舞台は整った。
妙が二人の愛の巣の玄関まで着くと、鍵を持っているがあえてチャイムを鳴らす。片手には赤い薔薇の花束。とことん愛を伝えるつもりでいる。そう、玄関を開けるなり、クジャクのように求愛行動をするつもりである。羽ばっさぁ!!みたいな感じのやつ。そしてそのまま、、ハートフルなアクロバットを二人で、、と。
ピンポーン
「はーい」
「ただいまー。開けてー?」
「あなた・・・あなたなのね・・・!?」
え、なにその反応、、って思ったときに世界のドアは開いた。ガチャ。
ドアが開くと、みちるは妙の腕を掴み、くるりと位置を反転させ、華麗な舞踏会のごとく妙をくるくるさせると、、そのまま玄関に押し倒した。この間、2秒。
「え、わっ、あーーー!!」
「好きよあなたーーー!!!」
ドサッ。
なんだこれ。妙は無言で彗星群のようなみちるのキスの雨を受けることになった。どこまでも勝てない年上溺愛女、みちる。
「妙ちゃん、聞いたわ!あなたが私のために・・・いろいろ考えてくれたことを。私もう、涙が止まらなくて、、今夜のみちるはきっとどこを食べてもしょっぱいわ・・・。」
「え、ええ~!なんで伝わってるの~!せっかく薔薇とか買ってきたのに・・・。」
「妙ちゃん、よくお聞き下さい。みちるはもう、重力系じゃないの。みちるワールドは、すでにスキスキ瑠璃光浄土なの。地球人が未だ感じたことのない、、未知の好きで溢れている、そんな世界よ・・・。好き。あ、好き・・・♡」
妙の献身は発揮できなかった。
人間って、本当にすんって音がするんだね。すん。。
「そっか。じゃ、お風呂はいろー」
「え、急に冷たい・・・す、好き・・・。ご一緒しても・・・?」
「うん。頭洗ってー♪」
「洗いますとも。隅々まで・・・。」
「まったく。こっちが好きって言う前にどんだけ先に言うんだ、、この嫁は・・・。」
「この癖が直らないのはごめんなさい。息をするように出てきてしまうの・・・好き。。」
「あと100回言ってくれたら私も言うねー」服ぽいっ
「え、お願いっ!100回言うからっ!先に1回言ってっ!!」服拾う嫁
スキスキ瑠璃光世界は、このくらいでないと入れません。
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