おまけep67 ERK警報①
ある日、仕事中の妙に、妹の萌からメッセージが届いた。
「緊急警報、緊急警報、ERK!ERK!」
「ま、まじ?どこに?なにか言われた?」
このERKというのは、「絵理香」の隠語である。絵理香は妙が高校から長く付き合っていた元カノ。妙の後輩で、萌の同級生である。
なぜ彼女が警報を出されるほど警戒されているかというと、別れてから1年半以上過ぎているのに復縁を迫ってくること、そして萌え曰く、
「水の入った寸胴のように重いからお姉ちゃんにフラれた女」なのである。
このような事態になったいきさつの前に、二人が付き合い始めたきっかけを知りたがったのは、もちろん妙の恋人であるみちるだが、妙はなかなか話そうとしない。そこで、萌が香織に以前話したままをここに紹介する。
香織「ねぇねぇ、妙ちゃんの元カノってさ、なんでフラれたの?」
萌「水を入れた寸胴みたいに重いからー。」
香織「腰にキそう。笑」
萌「聞いたら笑ってられないよ?私なんて重さでは比較にならない小僧みたいなもんだよ。」
香織「萌は重いんじゃなくて、ヘビーなんだよ。」
萌「香織のそういうちょっとバカなところも好きだよ♡」(ちゅーしてあげるね)
香織「え、私今なにかバカなこと言った??」(ちゅーしてくれるの?)
萌「ううん♡私が大好きって言っただけだよ♡」(ちゅーしてもらったらどうするんだっけ?)
香織「私も萌が大好きだよ♡」(お返しにちゅーする?)
萌「どのくらい好き?」(正解、1万点です)
香織「んーと。萌のためなら納豆も食べられるくらい好き。」(なんでお尻さわってるの?)
萌「え!絶対食べないのに!そんなに好きなの?♡」(そこに尻があるから)
香織「うん。でも納豆食べなくても許してくれる優しいも萌がす、」(そっか納得。)
すみません、今そういう話そこでしないでもらえますか?
香織「あ、それで、なんだっけ。あ、その重い女だ。」
萌「あ、そうそう。」
そう、あれは確か、私がお姉ちゃんにシスコンを拗らせていたときだった。
お姉ちゃんは2つ上だから、高校三年生で、私が一年生の頃。同じ学校に進学していた。
絵理香は、私と同じクラスだった。お互い、仲の良いグループが別だったから、仲が悪いわけではないけど話したり遊ぶ機会はなかった。部活も委員会も、お姉ちゃんとは接点がなさそうな絵理香と急に付き合うことになったとお姉ちゃんから言われたときは、私だけのお姉ちゃんなのにって自分のことばかり考えていじけていたんだけど、あとで聞いたらどうやら絵理香が一目惚れして告白してきたらしい。
しばらくこの流れが続きます。
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