おまけエピソード2 強者みちるの秘密

 付き合って一ヶ月記念日。なのに今日は珍しくみちるに元気がない。


 一応、一ヶ月ということで軽くお祝いはしておこうということで、みちると妙はお互いの仕事が終わって二人で妙の家にいた。小さめのホールケーキとシャンパンを用意して、ただイチャイチャするだけの幸せな日になるはずだった。


 (なんか変だ。)


 そう思った妙。隣に座ってみちるの顔をのぞき込み、軽く頭をなでながら、「どうしたの?なんか元気ないね?」と言った。すると、嫌がるそぶりではないがゆっくり妙のなでる手を掴んで下におろさせたみちる。


「え、嫌だった?私、何か嫌なことした?」


 不安になる妙。


「いえ、ちょっと今日はまだそういう感じになるわけにはいかないのです。」


 神妙な顔をするみちるに妙はさらに不安になる。


(もしや、別れ話とか、、じゃないよね?え、別れ話とかだったら無理・・・。)


 ちょっと泣きそうになる妙。


「え、何でも聞くから話してよ。嫌なことあった?」


「いえ。ちょっとこれから言うことを聞いていただきたいのです。」


(なんで敬語?)


「わ、別れ話じゃないよね?好きな人ができたとかじゃないよね?」


 いよいよ涙目になる妙。あ、無理かも。なんか、泣く、、


みちる「そう言うのではないのです。」


妙「じゃあ、なんなの??」


みちる「実は、、」 


みちる「申し訳ございません。一つだけ謝りたいことが。」


(え、なに?もしかして結婚してるとか?こどもがいるとか?もう今日で会えないとか?やだやだやだ・・・!)


 迷子になったこどものような不安そうな顔をする妙。


みちる「やん、その顔かわいい♡ 写真撮って良い?」


妙「?! いや、そんな話じゃなかったでしょ。なんなのよ一体?!」


みちる「あ、すみませんつい。欲求に抗えませんでした。」


みちる「あの実は、」


・・・・・


みちる「3日後にわたくし、29歳になります。騙していたようでごめんなさい。」


 ん?


妙「そ、それだけ?」


みちる「すぐ29になるのに28と言ってしまってごめんなさい。言い出せませんでした。」


妙「な、なんだ、、もう、、もう会えないって言われるのかと思った・・・」


みちる「あ、どうしよう妙ちゃん、泣いちゃった。泣き顔初めて見る・・・可愛い・・・」


妙「うぐっ、ぐすっ、まじびびった。そんな、1歳でも5歳でもさば読んでたって別に良いよ。。」


みちる「いや、妙ちゃんは今をときめくピチピチだからさ。私には深刻な問題だったのよ。早く言わないとお祝いしてもらえないし~って。」


みちる「ね、許してくれるならその顔、写真撮っていい?」


妙「ダメに決まってるでしょ!」


みちる「え~ケチ。じゃあ、脳に刻むからこっち見てて。」


妙「ばかやろぉ~!ホントにフラれるのかと思った・・・。別れないからなー!」


みちる「え、ホント可愛い。無理。好き。」


妙「私も好きだ、ばかー」


 ぎゅーっと抱きしめ合う。


妙「・・・プレゼントなにが良い?」


みちる「けなげ。可愛い、好き。まじ可愛い好き。」




みちる「じゃあ、妙ちゃんがお嫁さんになるってことで。プレゼント。」



妙「・・・多分、いいよ。」



みちる「多分ってなによー。笑」




7歳差バカップルだった。それだけの話。 






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こういう百合のイチャイチャ話が毎日の栄養になる人がいると願って。


閃き次第更新したいと思ってます。



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