筋トーク
最時
第1話 新製品企画プレゼン
お昼休み。企画開発部のツバサが来た。
「マナ。新製品の企画プレゼン聞いてくれる」
「・・・ 今回は真面目なの」
「いつだって真面目だから」
「・・・ 失礼しました。ではどうぞ」
「ありがとうございます。今回私が開発したいのは筋トークです」
「キントーク?」
「筋肉のキンに話すのトーク」
「・・・ 午後忙しくなりそうだから少し仮眠取るね。お休みなさい」
「休まないでっ。聞いてっ」
「それ、また叱られるやつだからやめときな」
「マナ。最後まで聞けばわかるから。自分が間違っていたと」
「どうせ。筋肉に電極付けて、筋電図からなんかしゃべるんでしょ。なかやまきんにくんしか使わないと思う」
「いや、マナ。なかやまきんにく氏に使っていただければ大ヒット間違い無しだけど、それはおいといて聞いて」
「・・・ 失礼しました。どうぞ」
「ありがとうございます。今トレーニングブームです。猫も杓子もジム通い」
「それは言いすぎだと思う」
「マナ。最後まで聞いて」
「失礼しました。どうぞ」
「しかし、筋トレってキツいし単調だしなかなか続きません。
そこでこの筋トークを使います。
筋電図から筋肉と話が出来ます。
おい、俺の筋肉。やるのかい、やらないのかい、どっちなんだい。やーる。
をリアルに出来る。筋トレマニアの夢の再現です」
「・・・ 需要無いと思う。だいち、筋電図で筋肉と会話できるの」
「その辺はAIでなんとかなるさ」
「そのAI開発にいくらかかるの」
「マナ。部長のようなことを」
「・・・ 部長だけじゃなくてみんなそう思っているから」
「元が取れるから問題ないって」
「何を根拠に」
「よくぞ聞いてくれました。
先の展開として、筋トークを人気キャラクターにするんだ。
鬼ごろしの柱とか最強呪術師とか。
筋肉、つまり筋トークに愛着を感じるだろう」
「筋肉関係なくない」
「何でも理由付けが重要なんだよ。
人々は筋トークを使いたいために筋トレをする。
本人もジムも当社もwin win winすばらしい商品じゃないか」
「へー」
「納得できないかい」
「そう上手くいかないと思う」
「はあ~ しょうが無いな。
マナにだけ商品の第三段階を教えてあげると、AIに特定の人物のSNSや声を学習させることによって、その特定の人物が自分の筋肉に宿るんだ。
「そっ、それってこの前のAIぬいぐるみと同じじゃ」
「違うよマナ。
この前のはぬいぐるみがマナの大好きな先輩になるわけだけど、今回は自分の一部が先輩になるんだ」
「・・・ ちょ、ちょっとトイレ行ってくる」
「はあ~
マナには通じるんだけどな。
それにしてもマナかわいいな♡
筋トーク 最時 @ryggdrasil
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます