第13話 救出作戦 (後編)
「北条 響が命ずる!戦姫エクサーシャ。前へ!」
「ああっ!いとしの主様!」
俺の掛け声に反応して、エクサーシャがスマホ画面に表れる。俺はエクサーシャの存在を確認して指示を与える。
「顕現せよ!!」
俺の合図と同時に、スマートフォンの画面からエクサーシャの姿がスッと消え、スマートフォンから多数の光粒子が放たれた。散乱していた光粒子が一つにまとまり、やがて大きな光となり、エクサーシャの形が浮かび上がっていった。
「主様~!お会いしたかったですわ!」
名前 エクサーシャ
年齢 642歳
種族 悪魔
ランク R ( レア )
ジョブ ウィザード
レベル 125 (MAX)
HP 750
MP 750
AT 560
MAT 710
DEF 480
MDEF 680
DEX 490
INT 650
AGI 460
スキル マジカルスティール
説明 生粋の悪魔。団長に心底心酔している。団長や仲間以外には非常に冷淡。
彼女は、エクサーシャという生粋の悪魔だ。非常に魔法に優れているが、悪魔というだけあって槍を使った肉弾戦でもその力を発揮する。背中には翼があり、飛行も可能である。WWGでは、空中戦力として活躍したこともある。また、Rキャラから解放されるキャラエピソードでは、団長の子を孕みたいと願う場面もある。容姿端麗ながら、団長や仲間以外には極めて冷酷である。
「エクサーシャ。良く来てくれた。カレラとシノブが殺られてしまった。相手は、そこの悪魔だ。どうだ?できるか?」
「主様。もちろんでございますわ。アレがこちらの世界の悪魔ですの?随分と軟弱ですこと…。」
「何だキサマ!?我を侮辱するか!!」
「あら?容姿は非常に残念ですが、耳だけは良いのですわね?」
「ふん!言ってろ。その口塞がせてやるわ!」「スーパーボム!!」
圧縮された魔力球がエクサーシャに向かって行く…。
Pin!
エクサーシャは、指先で魔力球を軽々と弾き飛ばした。反射された魔力球は、アラムスナビに向かって急速に接近し、一気に膨張を始めた。そして、その場で爆発を起こしたのである。
Dokkaaan!
「ぬおー!良くもやりやがったな!」
アラムスナビは、自身が唱えた魔法によって自らを傷つける憂き目に遭ってしまった。爆風の影響で、彼の肉体は傷だらけになり、体液が滲み出す箇所が散見された。その上、彼が纏う衣服も破れ零れていた。
「なら、これなら弾けまい!ジルスパーク!!」
アラムスナビの魔力が槍の形を成し始めた。雷に包まれた槍は、エクサーシャの方向を見据え、そのまっすぐな一筋で疾走する。その速さは、容易に避けることができず、直撃すれば相手にとって致命的な打撃となることは確かだ。
しかし、エクサーシャは、涼しい顔のままだ。両手を胸の高さで広げると、一度だけ手を叩いた。
Pan!
Parin!
エクサーシャが手を叩くと、目の前まで迫って居た雷の槍が、一瞬で光粒子に分解されて、消滅したのだった…。
「な、なんだと!?」
「力不足ね。魔法攻撃力が足りないのよ。私の魔法防御力を凌ぐ攻撃が出来ないのなら、あなたの負けだわ。」
「クソッタレ!ならばもう一度人間の魂を喰らって…」
「あぁ、それね?ドレインだったかしら?その魔法も、さっき使っていた魔法も、もう使えないわよ。私が頂いたからね!」
「何だと!?嘘を言うな。」
「あら?本当よ!私は、自分より能力の低い相手から、魔法術式を奪うスキルがあるのよ。」
(あぁ。WWGやっていた頃、確かにあったな。マジカルスティール…。Rキャラには有り得ないチートスキルだったけど、スティールできるのは、敵のRかNキャラだけだったんだよな。当時は、対象になる魔法も、敵も少なくて、実際には、あまり使えないスキルだった。でも、この世界の場合、エクサーシャより下位の能力者は、かなりいるんじゃ…。もしかしたら、結構使えるのかも…。)
「フン!そんな嘘で我が騙されるか!やって見ればわかる。ドレイン!…あれ?ドレイン?何だと!?」
アラムスナビは、ドレインが発動出来なくなっているようだ…。
「馬鹿な…!それでは…。」
「はい。残念でした。これ以上は、時間の無駄ね!あなたはもう退場なさい!」「私は、久しぶりの主様との甘~い時間を過ごしたいの。じゃあ…」
「ま、まて!待ってくれ!命は助けてくれ!」
「バーカ!アンタには全然興味ないのよ。じゃあね~。ドレイン!」
アラムスナビの身体中が輝きだし、光の粒が身体から溢れ出て行った。
「うぉおお!!」
Juwan!
光の粒は、全て術者のエクサーシャに吸い込まれて行き、アラムスナビは、生気を失い、干からびて絶命してしまった。
「なるほど…こうして失われた体力と魔力を回復する訳ね。この者は、大したこと無かったけど、この魔法はつかえるわね。」
「やったな!エクサーシャ!」
「主様の為ならこのくらいは容易いわよ!さあ、今宵は私たちの愛の結晶を作りましょう。」
(やはり、ゲームの設定をそのまま引き継ぐのか。エクサーシャは、美女だが、さすがに戦姫とそういうのは…ね。まあ、アリかも知れないが、今はまだ無理!)
「エクサーシャ!今回は活躍見事だった。また呼ぶから次も宜しくな!」
「あ、主様。ちょっ…」
Shun!
(恐くなって反射的に帰還させてしまった…。エクサーシャ…感謝している。許せ。)
(ピロリン。)
(レベルアップか…。)
「ステータス!」
名前 ビビキ
真名 北条 響
年齢 18歳
性別 男性
種族 人間族
ジョブ スマホマスター
レベル 10 → 14
HP 34 → 38
MP 14 → 18
AT 19 → 23
MAT 14 → 18
DEF 14 → 18
MDEF 14 → 18
DEX 19 → 23
INT 24 → 28
AGI 14 → 18
顕現コスト 20
スキル スマホ召喚 ・ 異能アプリ ・ スマホフィルター ・ 戦姫解放 ( レア )
(微妙なステータスのことは、もう何も言うまい。)
(ナビィ、レベルアップが渋くないか?あんな強敵を倒したのに…。)
(団長、WWGを思い出してみて?レベル10以降はどうだった?)
(まさか!今まではスタートダッシュだった?)
(そうそう。新人さんの為にレベル10までは、レベルが上がり易くなっていたんだよ。これからは、補正入らないからね。)
(そこまでWWGに合わせなくてもいいと思うが…。)
「ヒビキ君!ヒビキ君!大丈夫かね?」
「ああ。申し訳ありません。ボンヤリしてました。」
「いやー!本当に良くやってくれたね。君の功績は大きいよ。どうもありがとう。」
「ヒビキ様、助けて頂きましてありがとうございます。」
「ララーヌ様。無事で良かったです。あっ、その猫は!?」
「ミリーです。この子も無事に見つかりました。」
ララーヌ様と子猫ミリーの救出は、やっとのことで成し遂げられた。しかし、犠牲となった兵士たちの姿を目の当たりにすると、無念さが胸に広がった。喜びも悲しみも入り交じる複雑な感情の中で、この事件が無事に終結したことに安堵の気持ちを抱いたのであった…。
―――― to be continued ――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます