あなたへ

あなたを送り出してから、どのくらい経った頃からでしょうか。

時々、あの子と恋の話をするようになりました。

具体的な話は教えてくれませんが、

恋愛観とでも言うのでしょうか。

そんな中で、あの子の口から、

女ってさ　なんて言葉が出て来ました。

「女ってさ」ですよ？

「パパは、かっこいい」「ママは、かわいいね」って、

ニコニコと、小さな両手を広げて、私達に抱っこをせがんでいたあの子が、

「女ってさ」

あぁ、この子は男性になりつつあるんだなって、妙に感心しました。

あんなに小さく、ちょっぴり泣き虫だったあの子と、

恋の話が出来る日が来るなんて・・・

大人に近づいたあの子と話をするのは、何だか、とても楽しいです。

これから、あの子は、たくさんの人と出会い、色々な経験をしていくでしょう。

時々には、私にも話して聞かせてくれるかしら。

また、「女ってさ」なんて言いながら

そしていつか、

一生大切にしたいと思える人と出会ってほしいですね。

私達が、そうであったように。

2016.07.20

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい