幼い女の子の迷子を助けたらその姉に好かれたんだが.....。

アキノリ@pokkey11.1

第一章 出会い

迷子を助けた

第1話 迷子を助けた後

何ら共通点のない高い場所に居る少女。

それが.....芹田ゆかな(せりたゆかな)だった。


茶色の髪の毛だが。

右に一つ結びとクローバー。

身長はそこまで無いながらもスタイル抜群。

猛烈にモテそうな感じでEラインとか整っており目が大きく。

そして笑顔の絶えない少女。


同じクラスで芹田は陽キャとかそういうのじゃないけど。

でも正直俺には手が届かない。

声掛ける事すら躊躇う感じの神々しい美少女だった。

まごう事なき神だ。


「今日も神々しいですなぁ」


「.....まあな。.....芹田ってマジに美少女だな」


目の前の後頭部に両手を添えながらの少年を見て苦笑する俺。

この欠伸をしている少年の名前は鳥宮遊(とりみやゆう)という。

俺の友人に該当する少年だ。


そして俺の名前は小野寺幸治(おのでらゆきじ)という。

まあ何というか2人一緒に冴えない野郎2名としてこのクラスに居る。

鳥宮はそばかす、遊び人として特徴的なのだが。

モテたいとかそんな事をいう奴ではない。


「.....正直恋愛はよー分からん」


欠伸を待たしながらのその言葉が口癖の鳥宮。

まあ俺もそうだ。

鳥宮に納得しながら俺はソワソワしている陽キャを眺める。

神々しい奴にはなかなか陽キャも厳しい様だ。


「でも何だか芹田って聞いた噂だけど妹さん居るんだよな?歳の離れた」


「.....ああ確かな」


「可愛いんだろうなぁ」


「.....キモいぞお前」


「おう。そうだな。まあ確かに。これ以上は何も言わん」


苦笑する鳥宮。

そんな会話をして居るとチャイムが鳴った。

それで俺達はホームルームを受けてから放課後を迎える。

そして帰り道の事だったが。

運命が変わる事になる出来事が起こった。



「.....?」


幼稚園ぐらいの女の子が駅前でうろうろしていた。

俺は通学路で見掛けたその少女をスルーしてそのまま帰ろうとしたが気になって声を掛けてしまった。

キモいって鳥宮に言いながらも俺もキモいな。

幼女に声を掛けるなんて事案だ。


「どうしたの?お家は?お父さんとかお母さんは?」


「.....」


「.....」


うーぬ.....。

黙ってしまった。

このままではいけないな。


思いながら俺はこの子を警察に届けようか、と思ったが。

その、と女の子が切り出してきた。

そして、私、かな、っていう、と言ってくる。

俺は!と思いながらまた膝を曲げる。


「ああ。かなちゃんか。.....お家は何処かな?言えるかな」


「.....せりた」


「.....うん?せりた.....?」


「一丁目〇〇」


「.....近所か。なら連れて行ってあげようか」


こくんと頷く小さい女の子。

これ犯罪と間違えられそうだ。

急がないと。


俺はかなちゃんを連れてそのまま一丁目に連れて行く。

しかし、せりた?

何だか聞いた事がある様な。

思いながら歩いて連れて行くと、芹田、と書かれたネームプレートを見つけた。

確かにこの場所だな。


「此処かな?」


「.....」


頷くかなちゃん。

俺はその言葉にインターフォンを押してみる。

するとバァンと音がして飛び出して来た。


何というか、芹田ゆかな、が。


俺は!!!!?と思いながら芹田を見る。

すると芹田は俺を見て仰天しながらかなちゃんを見た。

そして目を潤ませた。


「か、かな.....ちゃん!もう馬鹿!!!!!何処に行ってたの!!!!!」


「ごめんなさい。あいすを買いに行ってた」


「一人で行かないの!!!!!もう!!!!!」


怒りながら芹田は涙を流す。

そりゃそうだろうな.....こんな幼い子がいきなり行方不明になったらこうなるだろうな.....、と思いながら芹田を見る。

するとかなちゃんは俺に向いてきた。

芹田も。


「あの。有難う。.....同じクラスの.....小野寺くんだよね?」


「.....そ、そうだな。.....小野寺だ」


「.....送り届けてくれたんだね。.....かなを」


「.....そうだな。駅前で見掛けたから。.....良かったよ。無事に帰せて」


俺を見ながら頭を下げる芹田。

それから、本当に有難う、と涙声で言ってくる。

そんな姿に、気にするな。御免な。警察に連れて行けば良かった、と反省する。


そして、じゃあ、と言いながらそのまま手を上げて去ろうとした。

その時だ。

かなちゃんが俺に声を掛けた。


「あの」


「.....?.....どうした?かなちゃん」


「.....ありがとう.....ございました」


「.....ああ。気にするな。そんなに言ってくれなくても」


そして俺は帰宅する為に門の外に出てみる。

上がって行かないか、と言われたが断る。

その為に芹田達はそのまま俺を見送ってくれた。


それから俺は帰宅する。

ふむ。

人助けとは良いものだな、と思える日だった。

そして翌日になる。



「いやはや。今日も芹田は神々しいなぁ」


「.....まあそうだな」


「.....何だお前。何考えてんだ?反応が鈍いな?寝不足か?」


「いや。何もない」


それから俺は上半身を起こしながら。

そうしてから大欠伸をする。

仮にも繋がってはないが。


芹田の為に良い事をしたのが嬉しかった。

すると女子と話していた芹田が切り上げて俺に寄って来る。

ん?


「おはよう♪」


「.....へ?」


「.....は?」


まさかの事態である。

鳥宮が伸びをしての欠伸を中断するぐらいに。

そして俺を目をパチクリしながら見てくる。

そうしてから芹田さんを見る。


俺も目をパチクリする。

そして芹田を見た。

教室が固まる。


「な、何.....?」


「あの芹田さんが.....男子に.....?」


「そんな馬鹿な.....!?」


教室はマジにそんな動きになる。

陽キャも陰キャも関係ないぐらいにどよめいた。

それから俺は赤くなりながら、はい?、と聞くと。

昨日は有難う、と芹田が言う。

嬉しそうに、だ。


「.....あ、ああ。気にする事はないんだが.....」


「.....ううん。.....本当に嬉しかった。.....また後で話そうね」


「.....」


笑顔で手を小さく振って去って行く芹田。

そしていきなり真正面から俺は首を絞められた。

何、チートを使っ、え!?、と鳥宮が意味不明な言葉を発する。

訳が分からない!、とも頭を掻きつつ言いながら。


「.....昨日.....お前、芹田に何をした.....?」


「.....まあ.....色々.....な」


「色々って何だ。オイ。.....事によっては殺すぞ?」


「お前って恋愛興味ないんじゃないの!?」


そして教室が大騒ぎになったその日。

俺は.....芹田ゆかなと関わっていく事になる。

まさにラブコメの始まりの様に、だ。

何というか.....予想外だ。

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