草原演義
秋田大介
巻一
『序』
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※『草原演義』の世界へようこそ。
この序文は、あえて本編よりやや難しめの文体で書かれています。
読みづらいと感じた方は、次話「第 一 回①」からお読みください。
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そもそも人の世というものは、治まれば乱れ、乱れれば治まるといったことを、幾千年もの長きに
さて、
人衆の性向たるや、
かの地には、古来より大小さまざまな
古に鄭の幽王は
大興の太祖に至っては、
今ここに東西古今を見渡してもっとも優れた英雄があるが、私はその偉大なる事績も同じように消え去り、忘れられてしまうことを切に惜しんで、これを世に伝えんとするものである。
かのものは、麻のごとく乱れた世を収め、
もとより蛮夷の主のこととて軽侮あるのはやむなき仕儀なれど、その波瀾万丈なる人生は瞠目に値し、卓絶せる才略を
その時代は、
さらに
その英雄の名は、
数多の
これは、その魏允長の一代英雄記である。聡明なる諸士に我が意中の伝わらんことを祈念してやまない。
とある竜の年、阿州準縄楼にて
奇子拝
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『詞』
……やがて白き狼は
飲まず食わずで歩くこと千日
ついに白き狼は上天の王である太陽に
「私は
はるばる
「私は
あなたの雄心にはまことに感心いたしました」
白き狼はそれを聞くや、咆哮一声、太陽に襲いかかった
大地の王が上天の王を犯し、一子を
これはその昔本当にあった
きっと天地の王の子が現れて
―『ダヤン・ミノウル・チャドゥ』より―
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