ⅩⅨ女神様は指示する

クラウディアは従者たちに指示した。


「ミア、セイラ。私ねお嫁に行くことになったの。」


「ご主人様、変なものでも食べましたか?」


「大丈夫ですか?ご主人様、幻覚でも見えてます?」


ミア、セイラと呼ばれたメイド服を着た女性が口をポカンと開けてクラウディアを驚見している。

そんなミアとセイラにクラウディアは苦笑した。


「幻覚も見えてないし変なものも食べてないわ、私はいたって正常よ。でもコレは私の従者以外伝えないでくれる?いろいろ事情がありますから。」


「そんなことはどうでもいいです、お相手は?」


「魔神ルーファス。」


「ごめんなさい、聞こえませんでした。」


「魔神ルーファス。」


「えぇ!?ルーファス様ですか?なぜ大事なご主人様を野蛮な悪魔如きにやらねばならぬのですか!?」


「失礼よ、ミア。でもご主人様にも事情があるんじゃないの?ご主人様、その時はぜひとも私をお供に。」


「私もお供に。」


クラウディアにミアとセイラは跪きながら懇願した。

クラウディアはそんな二人に笑いかけた。


「大丈夫よ、連れて行くのは『ミア』と『セイラ』、そしてあの黒髪の子供を連れて行くわ。」


「あの子供ですか?」


「ドブネズミみたいな?」


「ミア」


「はい、すみません。ご主人様。」

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