翼を負うもの
利糸(Yoriito)
第1章・緑色の瞳の少女と青色の瞳の少女(1・開幕)
どこまでも続く平らな砂漠。視界の
視界を
時刻は真昼。太陽が天頂で輝く
左耳の後ろで束ねた緑を帯びた黒髪が熱い風に吹かれて揺れる。
「今日も暑いなぁ」
「やっぱりここにいた。
呼ばれて
「
年の頃は
「もう。こんな人のいない時間に出歩いて。誰かに見られたらどうするの?」
「大丈夫だよ。ここまで誰にも見られなかった。門番のおっちゃんにも見られないように登って来たし。この時間帯に外を出歩いてるのなんて、働き者の
「はいはい。分かりました。分かったから、帰るよ」
「ちゃんと階段から下りてね」
「う……」
今
「相変わらず
そろりと壁の向こうを覗き込むと、階段を
「
「はーい」
「
「どうだ!」
「あ」
「
「わっ!
「誰の
「ごめんごめんっ! ごめんなさい! もうしないから!」
「そう言って、もう何回、同じこと繰り返してる!?」
駆け下りて来た
「学校がお休みだからってこんな所に来て。おばさん達と目立つことはしないって約束したでしょう? 忘れちゃったの?」
まだ怒ってる口調の
「覚えてるよ……」
「私達が
「うん。ごめん……」
「
「前にも、こんな話をしたね」
「……
「そう。
「人間以外の種族が住む村ね」
「きっと大丈夫。今頃、家族三人で幸せに暮らしてる。きっと」
ふたりが住むのは砂除けの壁に程近い、この辺りではそこそこ大きな商店街だった。その商店街のある大通りに出ると、人っ子一人いない大通りの
「オニャさーん。
「わっ。
「
大きな声で呼ばれた
「まったく! どこに行ってたんだい! 約束はちゃんと守りな!」
「ご、ごご、ごめんなさい。おばちゃん……。でも、その、今あんまり大きな声は出さない方が……」
「あんだって!? まごまご
「まったく……。心配させるんじゃないよ……」
怒鳴り声とは打って変わった心配の
「さっさと
「わ、わわっ」
オニャに首根っこを
「またやってるよ」
と苦笑する。
「あ」
オニャが思い出したように振り返った。
「ありがとうね。
「いえ。
「私と
「調子に乗るんじゃない!」
まるで反省していない
「わわわっ。やめてやめてっ」
「
「ありがとうございます」
「キナによろしく言っといておくれ」
オニャはそう言うと戸の閉まる店の中へと姿を消した。それを見届けて、
オニャが店に入ると穏やかな雰囲気を
「悪いねぇ、あんた。全部
男は顔を上げてほっこりと笑う。
「構わないよ。おかえり、
「ただいま。おじちゃん」
「明日の分の育ち具合を見てくるよ」
「ああ。分かった。いってらっしゃい」
「さ、
「はーい」
オニャに解放された
小さなドアを抜けた向こうには、四方を壁に囲まれた小さな畑が広がっていた。太陽の光を日除けの布を張って調整したその場所は、薄暗い店の中とは打って変わってとても明るい。十分に世話の行き届いた緑を
「うん。順調だね。明日、仲買の商人から仕入れるのと合わせて……」
頭の中に雑多に浮かんできた数字をオニャは端から整然と並べていく。
「うん。いつも通り」
オニャは頷き、
「よく育つようになったじゃないか」
自分の育てた野菜を
「これでもう教えることは全部教えた。学校を卒業するまであと一年。卒業したらバリバリ働いてもらうからね」
オニャを見上げたまま、
時間は
「おかえり、
「ただいま。キナおばさん」
「また、オニャが
「うん。でも
その光景を想像したのかキナが軽く吹き出し、
「日が傾いたら、お野菜買いに行こうと思う。オニャさんが安くしてくれるって言ってたから」
「そう。じゃあ、早めに行かないとね。オニャの店は混むから」
「うん。それまでまだ少しあるから手伝うよ」
針と糸を手に取って
土を固めて建てられた家は朝と夜の寒さを和らげ、昼の暑さに燃える外界から内を守るのに適していた。人間は太陽が地に沈んでいる間と天頂にある時は家に
日が
+++
それは、約十年前の事。南の町の南門の外に
集まった付近に住む町の人々は不安そうに顔を見合わせる。
「こんな子供がどうしてふたりだけで」
「こんなにボロボロで」
「親はどうした?」
「気味が悪い」
そんな中、門番は言う。
「砂嵐の
「そんなバカな」
町の人々は言いながら頭を
「この
「やっぱり役所に……」
「私が引き取るよ。私に引き取らせておくれ!」
声を上げたのは八百屋の
「かわいそうじゃないか。こんな小さな子供がふたりで。家族で旅をしている
「私もオニャと同じ意見です」
追うように声を上げたのは八百屋の向かいに店を構える
「キナ」
オニャは
「しかしなあ……」
「何ごちゃごちゃ言ってんだい! いいのかい? 悪いのかい!?」
「お、オニャとキナがそう言うなら」
「まあ、いいか」
オニャが押し切る形で町の人々から賛同を
それから約十年。死にかけていたふたりの子供はそれが嘘だったようにすくすくと育ち、子供のいなかったオニャとキナにとって唯一無二の存在となる。ただ、ふたりの子供達には秘密があり、その秘密を知ったオニャとキナはお互いにこれを命尽きるまで
+++
「
階下から聞こえてきたオニャの声に
時刻は太陽が天頂に届くまでにまだまだ時間が掛かりそうな朝の書き入れ時。学校へ行く子供達が家を出る時刻でもあった。
「
呼ばれて
「おはよう」
「おはよう、
部屋の中に取って返して
「
今度は部屋の入り口から声を掛けられて
壁に四角い穴が開いているだけの入り口には入り口とほぼ同じ大きさの目隠しの布が掛かっている。その布と地面の間に空いた
「入ってもいいかい?」
のんびりした声が問う。
「いいよ」
「おはよう。明羽」
「おはよう、おじちゃん。朝ごはん持って来てくれなくても大丈夫なのに。ちゃんと下で食べるよ?」
「いやいや。こうでもしないと朝は
「早く戻らないとおばちゃんに怒られるよ?」
「あんたー! 早く戻って来ておくれ!」
その声には明らかな
「さすがにそろそろ戻らないと
「うん」
養父は気持ち急いで部屋を出て行った。
その頃、
「また北の町で亜種が狩人に捕まったそうだよ」
ふと聞こえた言葉に
「まったく
「しいっ。狩人を非難するもんじゃないよ。王様が認めているのだから」
「北の町は王様のお
「私は王様に賛成だね。亜種なんて根絶やしにした方がいいに決まってる」
「亜種って言えば、俺達に持ち
「恐ろしいねえ」
「そんなこと言って。亜種を見たことあるのか?」
「そういえば、こっから少し外れた所に住んでた家族が突然いなくなったって?」
「そうなのか?」
「家族三人、
「どっから聞いた噂だい? あんたが言いふらしてるんじゃ」
「そんなこたねぇよ。父親、母親、娘と
突然、空が
ぽかんと口を開ける
「
笑顔の
「こらー!
店の中、お客でできた
「ごめーん。おばちゃん」
「
「すばらしい運動神経だ」
「でも、もうちょっと落ち着きがあった方がいいわよね。女の子なんだから」
「あれじゃあ、嫁の
「いやいやいや。元気が一番だろう」
「いっそのこと、
「笑い話じゃないよ! あんた達!」
オニャの怒鳴り声が先程以上に大通りに響き渡る。
オニャはため息をついた。
「まったく。あの子は」
空を見上げると青い色が広がっている。
「今日も、何事もなくあの子達が帰って来ますように」
誰に祈る訳でも、何に祈る訳でもない。オニャの小さな
「ふう」
乱れた息を整えるように息を吐くと、その一息で呼吸は落ち着いてしまう。対して
「
「まぁ、ね。あの手の話題にはどうしても
「私達、大丈夫かな?」
「だーいじょーぶだって。私達がこの町に来て何年になる? 今まで何にもなかったじゃない。これからもきっと、大丈夫だよ」
小さな不安が胸を過ぎったのを
「ほら、
「そうだね。急ごう。でも、遅れそうなのは
「ええー。そりゃないよ」
目の前に見えた小さな門を
+++
世界には七つの種族が存在している。
動物、聖獣、悪魔、精霊、魔獣、天使、そして人間の七種族である。
かつて、世界は
人間以外の六種族は長い長い、それは長い間、争い続けていた。人間が持たぬ力を持った六種族の争いはとても恐ろしく、破壊的なものだった。何の力も持たない人間は恐怖に震えながらも長い間身を隠し、何とか種を絶やすことなくひっそりと生き
「このままでいい
その青年は多くの人間を先導し、争い続ける六種族と戦い、
+++
「この王となった青年が今の王様のご先祖様です。だから、今のこの平和があるのも王一族のお
教壇に立ち、十人の視線を一身に浴びながら女教師は言った。
成長する程、他の学校へ子供達が流れる中、金銭的な理由や、
「これは、遠い遠い昔にあった話です。
「学校でも毎日のように聞かされてまーす」
教室の中に小さな笑い声が響く。ひとりの少女が手を上げた。
「先生。本当に亜種なんているんでしょうか?」
「待って。亜種と言うのはいけないわ。それは差別する言葉ですから」
「でも、みんなそう言ってます」
「そ、そうだけど……」
教師と生徒のやり取りを
教室の中に置かれた八つの長机は一脚四人掛けなのだが、今はひとつにふたりと広々と使われている。それでも余っている机はものの見事に生徒達の物置きと化していた。
女教師が気を取り直すように
「ええっと。人間以外の種族は今でも存在しています。先生もまだ会った事はありませんが人間以外の種族を捕まえることを
「でもそれは、ばったり会う確立の話ですよね」
十人の生徒の中、ふたりしかいない男子生徒のひとりが手も上げずに切り出した。
「え? ええ……」
女教師は首を
「じゃあ。見に行くのは?」
「……は?」
少年の
「王様のお
「亜種との間に子供作るとか、理解できないよなあ」
「なあ」
十歳を過ぎたばかりの少年達ふたりはくすくすと笑い合う。女教師は
「やめなさい」
クラスの中で一番背の高い少女が少年達を
「そ、そんな、いいものじゃないよ。
それだけ言って、少女は
「亜種と言っても、言葉の通じる相手を
リーダーの少女は少年達を
「フンッ。言葉が通じるって。あんた会ったことあるんですか? 話したことあるのかよっ」
「な、ないけど」
「だったら黙ってろよ。腰抜け!」
「腰ぬ……はぁ!?」
「亜種は
「やめて!」
よく通る声に教室内はしんと静まり返った。
「
隣で
「やめて」
少年は
「こ、の、ように……。他の種族を見掛けることがなくなって、他の種族に対しての恐怖心は私達の中にはもう
女教師は少し青い顔をしながらも
「先ほどの、
女教師は語りながら次第に夢見がちな少女のような顔になった。我に返り、少し恥ずかしそうに小さく
「はい。先生」
リーダーの少女がまっすぐに手を上げた。
「私も、会ってみたいです」
明るい声に女教師は
暗くなっていた教室内の空気が
「先生。先生はどの種族に会ってみたいですか?」
「そうですねえ。やはり天使でしょうか。今最も数を減らしているのは天使だそうですから。昔は片翼の天使なんていうのもいたそうですよ」
教室中が見たことのない天使の姿を想像してため息をついた。
ただ、リーダー格の少女と言い争っていた少年だけは不満そうに鼻を鳴らしていた。
この小さな
室内運動場は校舎より一回り小さいが天井は高く、四方を囲む壁と天井近くに明かり取りの窓が
やつ当たり気味に
「俺は、必ず、狩人になるんだ!」
相手をさせられている少年は疲れたため息をついた。
「もうやめようぜ。木の棒振り回すの俺疲れたよ」
「だああ! お前しかいないんだから相手になれや!」
「何イライラしてるんだよー」
今、この場には
温度差のある少年ふたりと他の子供達を、壁際に立って
「子供は元気だ」
なんて独り言を
入ってきたのは3のクラスの女子生徒達と2のクラスの女子生徒達。そして、1のクラスの中でも最低限歩くことができるようになった幼児達だった。
「あ。アサツキ先生だ」
女子生徒のひとりに名を呼ばれ、壁際に立っていた青年、アサツキは手を上げることで返事をする。アサツキと目の合った少女ははにかんで
最後に入ってきた
「
「元気に見える……?」
何故か
「お
「なるほど」
「
真横から発せられた声に
「な、なに!? あんなののどこがかわいいいんだよ!?」
「俺はかわいいなんて言ってないぜ」
3のクラスに男子生徒はふたりしかいない。
言われた方の少年は顔を真っ赤にして口を開いたり閉じたりさせるが、何ひとつ反論の言葉は出てこなかった。
「
「
「はーい。じゃあ。先生」
「ん。行ってこい」
クラスメイトと年少の子供達に呼ばれた
「
いつの間にかアサツキの隣には
「ちっちゃい子はどう
笑いを
「……
「そんなのある訳ない」
「そうか……」
アサツキが
少年はアサツキの手前で立ち止まり、持っていた
「俺は絶対にお前には負けないからな! 見てろよ!」
それだけ言うと少年は
「アサツキ先生。大丈夫ですか?」
少し離れたところから事の
「うん。大丈夫」
アサツキが答えると集まっていた少女達は顔を見合わせ、はしゃぎだす。
「……先生、女子に人気あるよね」
「まぁ。悪い気はしないが……」
「男の先生ひとりしかいないもんね」
「この学校は男の比率が低すぎる……。教師も生徒も」
「私、あいつ嫌いなんだよね」
急な主張にアサツキは
「
「いつも、
「年頃の男子だ。人を好きにもなるさ。
「私は認めない」
明羽は不満を
「
「それはそうなんだけどさ……」
言い
「
「なあに?」
「お、俺。狩人になるから。狩人になって
その言葉に
ふっと、本当に一瞬だけ室内が
「先生……。先生、今、何か……」
突然、天井の一部が崩れ落ちた。悲鳴が響き渡る。
「おお。よかったよかった。誰も
人間より
「狩人……。どうして狩人がこんな所に!」
叫び声に小さな子供達が次々と大きな声で泣き始めた。校舎に繋がる引き戸から
「
地面に降りて来ないまま場内を器用に
「な、何ですかあなたは!? 誰の許可を得てこのような!」
「まあまあ。そんなに
「俺達に許可なんていらねえんだよ!」
天井の穴から新たに飛び込んでくる影。先に入って来た鳥よりも一回り小さな鳥に、先に入って来た男より若い男が
「グリフの兄貴! さっさと始めようぜ!」
「血の気の多い奴だな。たく……ルイン! ちったあ落ち着け!」
「ふ、ふたりも……」
「
アサツキは小声で、しかしはっきりとした声で
「え?」
「
「え、なん……え?」
「今すぐ
「さて、と。政府の技術部から横流ししてもらったこの試作品を試させてもらうか」
グリフと呼ばれた銃持ちの狩人、グリフィスが腕を持ち上げた。その手首には何やらゴテゴテとした黒い機械が巻かれており、その中央についていた丸いものが突然真っ白な光を放つ。
「うおっ! 何だ!?」
「うわあ。ビビった。何だったんだグリフの兄貴?」
グリフィスは機械を恐る恐る
「青だ」
「青? 青って聖獣じゃなかったっけ?」
「ああ。そう説明されたな」
「ええー。聖獣なんてつまんないよ。聖獣と人間の間の子なんて探せば見つかるじゃん」
ルインという名の若く、ボウガン持ちの狩人は、鳥を器用に
「まぁ、いいじゃねぇか。このぐらいの年齢が一番高く売れる」
ニヤリと笑ったグリフィスに
「お前か」
グリフィスと目が合って
「
「
駆け寄っていた
「お前も仲間か?」
「兄貴……。見てみろよ」
「あん?」
ルインが指差すのは
「首の後ろに十字の飾り紋様……。コイツは、コイツはとんだお宝だ! まさか純血の聖獣がいるとは! こいつはツイてるぜ!」
ルインが
「俺の見立てに間違いはなかった。やっぱり、人と持ってる運が違うぜ。アンタ」
髪をぐいぐい引っ張られて
「この、
「うわ……。
アサツキは場違いな
「しまった! くそっ!」
「
「
「兄貴! 俺が拾いに行くよ!」
グリフィスの横を一回り小さな影が
「聖獣ちゃん、もーらい」
目の前に
「は?」
ルインはすぐに理解する事ができなかった。
新たに羽ばたく音がする。真っ白な羽が数枚舞って、そこにいた誰もがその色に目を奪われた。
アサツキは
「
グリフィスとルインの唇が震える。
「天使、天使だ……」
「片翼の天使……。だが、片方に四枚の翼だって? 聞いたことねえぞ……。とんだ、とんだお宝じゃねぇか! なるほど! 機械が最初に放った白い光はお前のか!」
「兄貴!」
「ああ!」
グリフィスは興奮した顔で叫ぶ。
「二匹ともいただきだ!」
向かってくるグリフィスとルインを見て
運動場に取り残される教師と生徒達。
「ああ。なんてこと……」
3のクラスの生徒達に伝承を語って聞かせた女教師がその場に
「何で、何でだ……。何で追いつけない!」
「むしろ少しずつ離されてる気がするよ……。兄貴」
「全速力で追っても追いつけないってえのかよ! くそ!!」
翼を持っていても人間の中で生きてきた
『嵐が来る』
空は青く澄み渡り、太陽は
「
下方から名を呼ばれ、
「おばちゃん……」
「
オニャは叫んでいた。その目に迷いはなく一点の曇りもない。
「飛べ!
オニャの声に押され、
「おばさん……」
「
「南東。アサツキ先生が南門から出て、ひたすら南東に向かえって言ってたから。何があるか分かんないけど」
「そう。アサツキ先生が。いい人だね。
「うん」
町を出てしまえばひたすらに砂漠が続く。どこまで行っても平坦な砂漠は果てしなく、青い空に浮かぶ太陽と月だけを頼りに明羽は飛び続けた。
一度は距離を縮めたグリフィスとルインだったが今、その距離は再び広がり始めていた。
「くそっ! 追いつけねえ! こうなったら打ち落としてやる!」
グリフィスは腰に釣ってある拳銃とは別に、鳥に
「おっとグリフの兄貴。散弾はまずいよ。ここは俺に任せてくれよ。それに、兄貴より俺の方が命中率は高いだろ」
「……そうだな」
「デカいのをお見舞いしてやるぜ」
ルインは鳥に取り付けてある
ルインは足と腰だけでバランスを取り、ボーガンを
「特注の猛毒を塗った矢だ。じっくり味わってくれよ」
「翼を狙え。四枚もあるんだ。一枚減るのは
「分かってるって」
ルインが引き金を引くとまっすぐに飛んだ矢は
「……っ!」
「
一度はバランスを崩した
「
「な……」
「なん……」
グリフィスとルインは絶句した。見えるのはどんどん離れて行く
「速度を上げただと!?」
「
少しずつ風が強く吹き始めていた。風に
「くそ。こんなでかい嵐、巻き込まれたら生きて帰れねーぞ!」
「……」
「
砂嵐から
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます