筋トレ教室
水谷一志
第1話 筋トレ教室
一
俺はひ弱な人間だ。
昔からいじめられてきたし、ケンカは一度も勝ったことなし。
……と言うより自分からケンカを売ったことないしいつも絡まれてボコボコにされてきただけだ。
なので、俺は生まれ変わりたい!もっと強くなりたい!
そこで俺は新聞広告を見てしまった。
《筋トレ教室を新たにオープンします》
二
行ってみると、何やら怖そうな人たちが並んでいる。
オープン初日。俺は自分を変えたくて足を運んでしまった。
まあ他の受講生が怖そうなのは……、そういう教室だからということか!?
でも、これで俺も強くなれると良いな!
三
「ではメニューを開始します!」
いきなり俺は竹刀を持たされる。おお本格的!
「今から素振り1,000回!」
えっ!?と俺は一瞬思ったが、ここで頑張らなくてどうする?
自分を変えたくて来たんだろ?
1,000回ぐらいやってやろうじゃないか!
「1!2!3!」
……俺は10回程度で疲労困憊になる。何と情けない。
「はいそこ!気合いが足りない!」
何とその教官(?)は俺を竹刀で叩く。これいつの時代だ?ハラスメントだよ!ちゃんと許可とってんのか!?
……いやここは耐えよう。未来の俺のためだ!!
四
「今日は胴着に着替えて頂きます」
今度は柔道か……!ってかそもそもこれ、筋トレなのか?
まあいいや。強くなれるなら問題ない。
「いてっ!ああ!ああああ!」
柔道未経験の俺はいとも簡単に投げられる。
「そこ!気合いが足りない!」
そんなこと言われても、そもそも俺は受け身すら知らないんだぞ!
怖くてその言葉は言えなかった。
五
「お疲れさまでした。次回は座学をします」
うん?座学もあるのか?これはちょっと楽そうだ。プロテインの飲み方とか学ぶのだろうか?
「次回までに【警察法】の条文を全て覚えてきて下さい!」
……はい!?
「ではこれで、【その筋】、警察官に特化した今日の【筋(すじ)トレ教室】を終わります」
(終)
筋トレ教室 水谷一志 @baker_km
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