チャーム

第1話

今日の売り上げは2000円かぁ

そろそろ潮時かなぁ

『おばさん、これいくら？』

おばさんって！？

まー、この子からしたら確かにおばさんかぁ

『800円です』

寒いし早く帰りたいからおまけしてあげる

材料費も出ないし、ほんとはもっと高値で売りたいんだけど、私って何してるんだろ

『えーーーやすー！こんなに可愛いのに、もっととってもいいんじゃないの?』

『これ、オリジナルだよね？』

『えっ、まぁ、、、』

『なら、他のも全部買うよ』

『これで、足りる?』

一万円札10枚出して、無邪気に笑ってる子、何もの？

『えっ、でも転売とかされると困るんです』

『一応、オリジナルで、一点ものなので！』

あー、私何言ってるんだろ、朝から2個しか売れてないの、全部買ってくれるって言ってるのに！

それで今月の家賃払って今夜も夕飯にありつけるのに！

なんのプライド？

苦笑いしてる彼

あー、バカだ、私

『しない、しない！めちゃ気に入ったから、ライブとかでつけたいだけなんだけど?

それならいいよね?』

『まぁ、それなら』

って言い終わらないうちに、札束だけ置いて、全部持って帰ってしまった彼