日々筋肉を鍛え、大きくなってゆく恋人の背中。男性なら誰もが羨む、「強い男」。逞しく膨らんでいく彼に対し、主人公の心は反比例のように沈んでゆく。その真相に気がついた時、救いようのない痛みに目が離せなくなります。主人公の想いが痛いほどわかる。わかるかこそ辛すぎて自分まで苦しくなります。筋肉というテーマだけでここまでの物語を書けるのが単純に羨ましいと思いました。