36.アンテナ
ヴィクトリアは青巒を見て苦笑いした。
この子には本当に興味がある事を自動的に聞き取るアンテナが付いているのかしら?でもここで暗殺者だということはバレてはいけないわ。
ヴィクトリア、思い出すのよ。
前世の皇妃教育で磨かれたポーカーフェイスの出番よ。
ヴィクトリアは笑って誤魔化した。
「青巒様にはまだ難しい事ですよ。」
ヴィクトリアの言葉に青巒は表情が暗くなった。
「えっ?なんで?ディアレイド達は僕よりとししたなんでしょ?僕はみんなにとっておとうとみたいに思われているの?そして僕を様付けしなくていいよ。ここには僕しかいないから」
ヴィクトリアの言葉を青巒は否定した。
ヴィクトリアも流石にポーカーフェイスが崩れる。
もうっ!子供はこう言ったらああ言うのね。
しかもここには僕しかいないからってどう言うこと?
ルーカス様とノアが居るじゃない...
しかも様付けしないのは私も悪いんだけどこの子の未来が不安だわ。
ヴィクトリアは青巒に言った。
「私たちはただの平民でございます。でも青巒様は王族、ですから様付けは誰が居るかいないかと言う問題ではなくしなければならないのです。そして私たちの会話は内緒です、青巒様がもっといい子になれば教えてあげます。」
ヴィクトリアには珍しく説教を始めた。
私も叱るのは嫌だけどこの子の為よ。
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