12.*レラウ視点*娘も成長したな
俺の名はレラウ・ゲレニカ・クラウス。
クラウス侯爵だ。
俺には一人娘のヴィクトリア・ゲレニカ・クラウスと妻のミラ・リ・レクトル、三人で幸せに暮らしていた。
娘が5歳になった頃いつも通り執事室で仕事をしていると珍しく娘が訪ねてきた。だが娘の後ろにはただ物ではないオーラを纏った娘と同じくらいの金髪の少年が居た。
俺は娘に言った。
「ヴィクトリア、どうしたんだい?執事室に来るなんて珍しいじゃないか。そして後ろの少年は誰だい?」
娘に笑いながら問うと娘は今までに見たことないような凛とした顔で答えた。
「お父様、話したいことがあります。後ろの少年のことも話しますので聞いてください。私は未来を生きました。」
娘が言うと俺はショックを受けた。娘も成長したな...
少し前までは俺の後を走って追いかけていたのだというのに。
しかも未来を生きたとはどういうことだ?だが娘は嘘をつく性格ではない。
信じてみてもいいか。
「ヴィクトリア、そうなんだ。話してくれてありがとう。さぞかし勇気が必要だっただろう。」
娘にそう言うと娘は安心したような顔になった。
やっぱり娘は似ているな。ミラも昔同じように言ったら同じ表情をしていたから血は水よりも濃いって言うもんね。
娘はもっと打ち明けてくれた。
「私は未来を生きて未来の私は婚約者の皇太子に浮気されて身に覚えのない罪を掛けられ処刑されました。この少年はお父様も知っているでしょう?神殿で祭り上げられているルーカス様が助けてくれて今、彼がここにいると居ると言うことです。」
ふむふむ、『浮気された』と言うことは婚約者か?娘は知っているのかもしれない。娘が皇太子の婚約者候補に上がっていることを。しかも辻褄が合いすぎる。確かに皇太子は幼いのに皇帝似で強欲で愚の塊だった。アイツならあり得る。しかもそこの金髪の少年があのルーカス神だって?
でも娘が死ぬというのなら娘に協力しよう。
でもいくら神でも異性を娘に近づけてはならぬ。
少しシバくか。
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