11.前世

ヴィクトリアが扉を開けるとそこには大きな机とその机に積まれたたくさんの書類、そしてその中で書類にペンを走らせている銀髪の男が居た。


男はヴィクトリアに気ずくと声をかけてきた。




「ヴィクトリア、どうしたんだい?執事室に来るなんて珍しいじゃないか。そして後ろの少年は誰だい?」




男はヴィクトリアに笑いながら問いかけルーカスをじっと見た。


ヴィクトリアは覚悟を決めた。




お父様は理解してくれるかしら?私が未来から来たことを...




ヴィクトリアは男の方を向いて言った。




「お父様、話したいことがあります。後ろの少年のことも話しますので聞いてください。私は未来を生きました。」




ヴィクトリアが言うと男は一瞬固まりまたヴィクトリアに話しかけてきた。




「ヴィクトリア、そうなんだ。話してくれてありがとう。さぞかし勇気が必要だっただろう。」




男はあっさりとヴィクトリアの言ったことを信じたのである。


ヴィクトリアもびっくりして固まってしまった。


ヴィクトリアは我に返って続きを言った。




「私は未来を生きて未来の私は婚約者の皇太子に浮気されて身に覚えのない罪を掛けられ処刑されました。この少年はお父様も知っているでしょう?神殿で祭り上げられているルーカス様が助けてくれて今、彼がここにいると居ると言うことです。」




男はヴィクトリアの言葉を聞いて殺意がこみ上げている。


男は言った。




「そうか、分かった。今度はお前をそのようにはせん。」




男は言った。


ヴィクトリアはこの言葉の意味が分かった。




お父様は味方になってくれるのね。

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