殲滅のソティス~新米の宇宙艦隊参謀は戦局不利な最前線でいつも大変~
武田 信頼
SECTION:1 『戦死』のための基礎講座<受講費無料>
プロローグ:
※※ プロローグ ※※
最初の砲火が交わされて十四時間二十七分、すでに勝敗は決したのも同然だった。
無数の艦砲が
損害こそ小さいが乗組員の大半が戦死して自沈する
やがて、それらは
その
「はてさて、
全天にひしめく爆発と合成粒子の彗星を程よく見飽きたところで、あたしは視線を横に逸らす。と、その先で丁度巡航艦が数隻追い抜いて行くのが見えた。
おそらく、敵がこの
こんな状況下で司令部はいったい何時まで悪あがきを試みるつもりなのだろうか? もはや敗北は決定的だし、まして劣勢なんか覆しようもないのに……。
このままだと冗談抜きで生きて帰れるか甚だ疑問が残るというもの……。
しかし、軍隊という組織において個々人の感情や思考は許されない。一部の高級軍人に全体の未来が委ねられる、いわば運命共同体だ。そういう
(……でも)
あたしは心に宿る
そして、自分の端末に送られてくる
「……希望の一片も見いだせやしない。これじゃあ『一将功成らざりて万骨は枯る』だわ」
げんなりとした面持ちで再び上部360度スクリーンに視線を投げた。
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