(三)

 そんなときにレーダーに反応があった。航路から外れてまっすぐジョージたちの船に近づいてきていた。かなり船足が速かった。無線が届く距離になると、その船から無線があった。

「こちらアレクセイ・レオーノフ号のツポレフだ。聞こえるか」

 ジョージとシッコは顔を見合わせた。ツポレフは同じクラスメートだが、クラスのエリートで将来は士官学校に行くことを目指していた。そんなクラスメートがわざわざやってきたのだ。もちろんエミリア嬢が言い出した競争にも参加している。

 ジョージが返事をすると「航路を外れているぞ。すぐに戻れ」と命令口調での応答があった。

「ツポレフ、こちらジョージ・シッキンだ。チェックポイントはどこにあるのか」


(続く)

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