(二)-8
ジョバンニは、宇宙建設労働者の子で二人にとっては幼なじみであり、よく遊んでいた仲間であった。だから誘うのはごく自然なことであった。いつもは一緒にいたから、今回も当然一緒に船に乗っているはずだったし、てっきりそのはずだと思っていたのだ。
だから二人はこの衝撃的な事態に、黙って互いにしばらく顔を見合わせたままでいた。
「まあ、いいか」
二人はそう言い合って笑った。まさかの事態だったが、もう出航してしまった以上、できることは笑うことしかなかったからだ。木星まで競争していることもあり、月の港に戻るわけにもいかなかった。
二人は気を取り直して、この先の航路について集中することにした。
(続く)
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