第37話 我執名聞

 正法眼蔵随聞記二の十六

 「我執名聞」「我執を破って名聞を捨つる、第一の用心なり」

 自分に執着し世間の評価を気にかけているのが「我執名聞」。自分への執着を破り世間の評価など振り捨ててしまうこと、それが第一に心を用いなければいけないことである。

 今の世の中、自分に執着し世間の評価ばかり気にしている人間で溢れている。ネット上でも自分を見て!という人間で溢れ返っている。そして大勢に見られて評判になって喜んでいる。

 実にどうにも幼稚というか無邪気なお馬鹿さんとしか言いようがない。

 自分が生きる基準が世間の評価じゃ、どうしようもない。

 人間は大宇宙の中の存在だ。自分というちっぽけな殻を振り捨て、大宇宙と一体となって生きなければ、生まれた甲斐がないでないか。

 我執名聞を捨てよう。

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