第19話 黄金の仏像を焼香礼拝する

 正法眼蔵随聞記二の一(一)

 黄金の仏像を常に持ち歩きこれを焼香礼拝している僧に対し、その師がそのようなことはよろしくないのでそれを捨てよと諭したという。

 焼香礼拝すると気持ちがいいのは事実だけれど、これをしたからと言って真実・真理に到達できる訳ではない。

 世の中には怪しげな像やら壺やらを売りつけ、これを礼拝すれば幸福になるなどというとんでもないことを言う奴らがいる。

 仏教の焼香礼拝に神秘性を持たせるとこういうことになる。焼香礼拝は僧侶の形式であり、これはこれで尊重してよいけれど、これによって真実・真理に至る訳ではない。

 真実・真理に至るのは坐禅のみである。道元禅師は只管打坐しかんたざ、ただひたすら坐禅せよとおっしゃっている。

 だから私は坐禅に縋って生きている。

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