俺の想像していたラブコメという概念が今崩れようとしている。

寿司侍

プロローグ

「おい、私のメガネ属性を奪おうとするんじゃない。」


「メガネをかけるとイメチェン効果で異性が自分のことを気にし始めると雑誌に書いてあったからだ! しかもレーくんは最初から私と結婚する約束だったのだ!」


「メガネの話はどうでもいいが結婚の契約をすると約束していたとは聞き捨てならんな。もうレイは我と契約すると決まっていたのだ。もしその契約が気に食わんのなら我の奥義、ダークインパクトを喰らわせることになるぞ」


「はあ、朝っぱらから近所迷惑だ」




 登校中の通学路で、ため息をつきながらギャイギャイ騒いでいる三人にゲンコツを一発ずつ。なんでこんな奴らばかり俺に集まるんだ。










 「行ってきまーす」




 そう言い俺は誰もいない家を出た。両親はどちらも海外で働いてるが入学費用も出してくれるし電話もくれてるから別に俺を放ってる毒親というわけじゃない。あの人たちは海外層の方が合っているんだ。




 俺は咲灯さとう れい。今年から狂委学校に入学することになった。なぜ佐藤じゃないかって?それは俺のご先祖様にきいてくれ。好きなものはゲーム、アニメ、ライトノベル。もちろん彼女は画面の中!おっと、悲しいやつとは言わないでくれよ。いや、昔は大きくなったら結婚する的な約束をしていた幼馴染もいたんだ。親の都合で海外に行ったっきりだが。




 「すっげぇなぁ〜」




 声が出てしまうほどの迫力。そしてどこかの城のような綺麗さ。宮殿学校と呼ばれるわけだ。今日から俺は彼女を作ったり、友達と深夜までゲームしたりするのだろうか。俺はそんな妄想をしながら教室へと向かうのだった。



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