第172話 義務

ピコン

スマホに通知が入る。


国防セイバー管理組合よりお知らせ


国防セイバー管理組合って見慣れないけどセイバーギルドの正式名称だ。

滅多に連絡が入ることはないけど、稀にお知らせ通知がある。

今回の通知は簡単に言えば強制依頼。

セイバーになる条件に、年に何回かダンジョンに潜るというのがあったけど、よくよく確認してみるとあれは勝手に潜るんじゃなくてギルドの依頼で潜るという意味だったらしい。

俺としては日常的にダンジョンに潜っているから特に問題があるわけでもないけど、毎月お金を貰っている義務を果たせという事だろう。

日時は今週末土曜日となっている。

学校へと登校してから、英美里達に確認すると俺と同じく招集連絡があったらしい。

ただ、岡島には来てないようなのでもしかしたら、セイバー登録のタイミングもあるのかもしれない。

うちのクラスからは岡島を除く5名とメンバである野本さんも呼ばれている。

当然俺がそうであるように、みんなも初めての強制依頼の内容がわからず不安に思っているようで、英美里が話しかけてきた。


「御門、これって何かあったって事なのかな」

「いや、俺達が初めてなだけで普通に召集がかかっただけじゃないか?」

「いつもダンジョンに潜ってるのとは何か違うのかな」

「舞歌が気にしてる事もわかるけど、多分大丈夫じゃないか? セイバーギルドも無茶な依頼はしてこないだろうし」


ダンジョンに潜るのはいつもと一緒だ。

違うのは集団で潜るってことだけ。

ただし、いつもと違う所が一点だけある。

それは、今回潜る事となったのが俺達がいつも潜っているホームダンジョンではなく、隣の街にあるダンジョンだという事だ。

自転車でも行けるくらいの場所なのでそこまで遠くはないけど、今までホームダンジョンにしか潜ってこなかったのでそこは不安が残る。

今回、召集されたメンバーと情報交換するが、三年生の西嶺さんがホームにしているらしく話を聞くことができた。

今回のダンジョンは、俺達のホームダンジョン同様に『サードブレイク』のタイミングで現れた比較的新しいダンジョンであるという事。

話しを聞く限り、そこまで違いはなさそうに思える。

ただ、先輩の話だと俺達のホームに比べて攻略組と呼ばれるガチ勢が少ないように感じた。

地域性や偏りもあるんだろうし、普通に考えて全てのダンジョンが同様に攻略されるイメージも湧かない。

もしかしたら、そういう事があるから今回の対象になっているのかもしれない。

そうだとすれば、モンスターの数を間引くのが1番の目的になるのかな。


お知らせ

HJ文庫モブから始まる探索英雄譚9が明日7/1発売です。

アニメモブからも今週土曜日7/6 ABEMA他で22時〜一挙2話放送です

よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る