第117話 燃焼系
破岩を一旦引き、力任せに巨大な上腕骨へと叩きつける。
一撃で砕く事ができないのはさっきのでわかっているので、そのまま何度も斬りつけダメージを与えていく。
巨大とはいえ上腕骨だけの骨にそれほどの怖さはないので、攻撃に集中し遂にその骨を砕く事に成功した。
ここで行くしかない。
身体からは変わらず大量の汗が流れ出ているが、気にしている暇はない。
先程、しとめる事ができなかった半骨半肉のモンスターへと走り、距離を詰める。
敵はこちらの動きに反応して、下がろうとするが、更に踏み込み破岩を振りかぶりモンスターへと斬りつける。
完全に捉えたと思った瞬間、モンスターを護るように巨大な拳骨が現れ破岩の一撃を止められてしまった。
「うおおおおおおおおっ!」
おそらくさっき壊した腕のもう一方。
だけど破岩ならこいつは突破できる。
胃が燃える。
身体が燃える。
踏み込んだ脚が燃える。
振るう腕が燃える。
そして俺の魂が燃える。
いや正確には魂が燃えるという事はないけど、身体の熱に呼応するようにテンションが爆上がりしている。
先程上腕骨を砕いたのと同じ要領で、目の前に現れた拳骨に破岩を叩き込み砕く。
「もう逃さない!」
拳骨が砕け、再びその姿を晒した半骨半肉に破岩を叩き込む。
『グシャッ』
破岩の刃を受けた骨と肉が潰れる感覚が手に伝わってくる。
巨大な拳骨に比べれば、遥かに脆い。
何度目かの攻撃を叩き込むと半骨半肉のモンスターはその場から崩れ落ち消え去った。
うおおおおおおおお〜!!
やった。
やってやったぞ!
得体の知れないモンスターを倒したぞおおおお〜!
難敵を倒した事で俺のテンションはマックスへと到達したが、それと同時に身体の燃えるような感覚が徐々に薄らいでいくのを感じる。
半骨半肉のモンスターは消えたが、拳骨の残りの骨はまだ健在でこちらへと迫ってくる。
「消えないのか! 一緒に消えてなくなれ!」
迫る骨に向けて破岩を叩き込むが、やはり身体の熱が急速に冷えていくような気がする。
それと同時に破岩を振るう腕に疲労感を感じ始める。
時間がない。
根拠はなにもないけど、そんな焦りを感じ、残った熱を呼び戻すように必死に破岩を振るい巨大な上腕骨を砕く。
どうにか間に合った。
なんとか巨大な骨を消滅する事に成功した。
「御門、まだこっちに残ってる!」
そうだ。怪しいのは倒したけど三上さんと岡島がとどめてくれていた鎧付きのスケルトンはまだ残っている。
「まかせろ〜!!」
その場から反転して、三上さん達が相手にしているスケルトンへと走る。
それほど時間が経過していないのではっきりした状況はわからないが、新たなモンスターが現れた様子はない。
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