第76話 UR2回目

ようやく回数が回復したのでURガチャ2回目を引くことにする。

妖精さんは表示からも完全に消えてしまったので、また当たらない限り会えないのかもしれないが、あの言葉の通じない妖精さんには感謝だ。

今までにこんな事はなかったのでなんで消えてしまったのかは今のところ謎だが、URの賞品だからなのかそれとも生物?がそうなのかもしれない。

もしかしたら以前出たスッポンも知らない間に消えてしまった可能性もあるな。


「よし! それじゃあいくか。ユニークレアガチャ」


俺は声をあげてURガチャをタップする。


URの表示が1から0へと変化した。

そしてスマホには賞品が表示された。


『SFP10』


「なんだこれ」


何かが当たったのはわかるが、見た事のない名前に戸惑いを覚える。

フェアリーは読んでわかったが『SFP10』は全くわからない。

記号なのか暗号なのかアルファベットと数字の並びに全く見当がつかない。

表示された名前で中身がわからない。

これは1番困るパターンだ。

もし仮にフェアリーの親戚とかだとしたら、今呼び出してもなにもさせる事なく消えてしまうかもしれない。

1番はダンジョンに潜るまでストックしておくのがいいのかもしれないが、いざ使用するときに使えない賞品だったらまずい。

SFP。Sはおそらくスーパーだろう。それならFはファイティングか?

いや、ファーストかも知れない。

その流れでいくとPはパワーで間違いなさそうだ。

スーパーファイティングパワーかスーパーファーストパワーどちらにしてもスーパーな感じがする。

しかも最後についている10。

普通に考えるとVER10か10倍の意味だろう。

スーパーの10倍。ファイティングでもファーストでもとんでもない事になりそうだ。


「お兄ちゃん、なんか難しい顔してどうかしたの?」

「いや、さっきURガチャ2回目を引いたんだ」

「もしかして妖精さんでた? わたしも会って見た〜い」

「いや、それが『SFP10』ていうのが出たんだ」

「SFP10ってなに?」

「いや、わからないけど、多分栄養ドリンク的なやつじゃないかな」

「栄養ドリンク?」

「多分スーパーなやつ」

「ふ〜んそうなんだ。それじゃあ出してみるしかないんじゃない」

「そうだよな〜」

「栄養ドリンクより妖精さんだったらいいのにな〜わたしも一緒に写真とか撮りた〜い」


まあ、SFP10がダメでも、武器はまだまだストックがあるし困ることはないだろうし、得体の知れないのを戦闘の最中にいきなり出す勇気は持ち合わせていない。

俺は思い切って『SPF10』をタップしてみる。

スマホの表示が消えてそれが姿を現した。


「こ、これって……」

「お兄ちゃん、これってまさか……」


俺の目の前に現れたSFP10は俺の予想の完全なる斜め上を行っていた。

だけど、これって大丈夫なのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る