第46話 第1章完
『ドゥン』 『ドゥン』 『ドゥン』
俺が死を覚悟した、まさにその瞬間、爆発音のような鈍い音が聞こえ目の前のゴブリンがバタリと倒れ消滅する。
『パァーン』
『ドゥン』 『ドゥン』 『ドゥン』
再び、耳慣れ無い破裂音が聞こえ次々とゴブリンが倒れていく。
「ゴブリンが……」
なんだ? なにが起こっているんだ。
目の前の光景に何が起こっているのか理解が追いつかない。
「おおおっ助けだ〜! 助けが来たぞ〜!」
この音は、誰かの攻撃なのか?
周囲にいたゴブリンが全て倒れると、しばらくして何人かの男性がモールへと入ってきた。
「遅くなりました」
その人達は何度かテレビで見た事がある、緑色の迷彩服のようなものに身を纏っていた。
自衛隊。
国防を担い、セイバーが確立されるまで対モンスターの主力となっていた人達。
今でも、ダンジョン攻略や大規模なモンスター災害には活躍を見せている、その人達が目の前に立っていた。
もしかして救助に来てくれたのか?
誰か先に逃げおおせた人が助けを呼んでくれたのか。
「うぉおおおおお〜! 自衛隊だ〜!! 助かった〜!」
「ああああああああああ〜!」
「もうダメかと思った」
助かった?
突然の出来事にその事実をすぐには理解する事ができなかったが、脳が理解した途端、俺はその場に膝から崩れて倒れ込んだ。
助かった……
もうダメだ。全身の力が抜けて一歩も動けない。
「お兄ちゃん」
向日葵達が俺の下へと走って来てくれる。
ああ、よかった。
向日葵も無事だ。それに2人にも怪我はなさそうだ。
なんとか3人を守り切る事ができた。
「どうにか助かったみたい」
「ああ、そうみたいだ」
「御門のおかげよ」
「いや、そうじゃない.そうじゃないんだ」
この日起こったサードブレイクで日本では100万人を超える人達が亡くなった。
自衛隊や全国のセイバーの活躍もあり、街に溢れ出したモンスターは一掃されたが、このサードブレイクによってひとつのダンジョンへの入り口が複数箇所確認される事なり、今までのように1箇所だけ監視していれば良いという状況は瓦解した。
そしてこの日以降今までとは比べ物にならないくらい、モンスターの出現回数が跳ね上がる事となった。
そして俺達の篭っていたモールでは三十人を超える死者が出てしまったが、その中にはモールマネージャーの新田さんも含まれていた。
今回俺達が助かったのは運。たまたま自衛隊があのタイミングで来てくれた。
そして新田さんたちが文字通り命をかけて戦ってくれたから。
セイバーになったとは言っても俺はまだまだ弱い。
新田さん達のお陰で助かった命だけど、今のままじゃ、次同じ状況におかれたら向日葵達を護れない。
それに、街にモンスターが溢れ始めた状況に安穏と今まで通りでいる事はできない。
この時俺は、はっきりと決意した。
モンスターに負けないよう強くなりたい。
あとがき
これで1章が終わりです。
当初予定していたのはここまででしたが、多くの読者に応援いただいたので2章10万文字目標に頑張ってみようと思います。
まだの方は是非、フォロー★評価をお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます