第24話 好き嫌い
「好き嫌いは良くない」
そうお母さんが言ってた
そう教わってきた
「みんな仲良く」
そう先生が言ってた
そう習ってきた
僕がイヤだと拒否したら怒って
僕が好き嫌いをしないようになると褒め称えた
だけどちっとも嬉しくなかった
もしかしたら僕の将来を考えて言ってるんだろうか
もしかしたら僕のためなんだろうか
でもそんなこと本当に思ってるんだろうか
僕が本当に悩んでいるというのに
どうして好き嫌いをしてはいけないだなんて言えるんだろうか
どうして皆わからないんだろうか
僕は人間だ 人間はみんな好きなもの嫌いなものがある
どうして一方的に自分の考えを押し付けるんだ
僕のこと嫌いなのか
皆僕の心がわからないのか
僕の感情なんてどうでもいいのか
なら僕は何のために生きてる?
やっぱり僕は出来損ないだ
全部全部好きになれなかった
やっぱりこんな自分がどうしても嫌いだった
自分の存在さえ消えれば僕は
好き嫌いなんかなくなるんだ
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