告解室
Y.T
第1話 教会。
肉の都、マッスルー。
我が国随一の筋肉都市である。人々と筋肉が触れ合い、支え合い、共存する、とても素晴らしい街だと僕は思う。
ここは教会だ。
『————骨格とともに、筋なる肉の栄光の内に——マッチョメン』
「鍛えましょう——」
筋束の祈りが終わりを迎え、次は集会鍛錬が始まる。司祭様が見守る場で会衆達がトレーニングをするのだ。トレーニングメニューは曜日によって定められ、今日は胸の日、である。正しいフォームで適切な荷重、適切なレップをこなす事により我々は、肉の御名のもと、救われるのだ。
それが終わると筋書の朗読が始まる。ありがたい肉の言葉の一節を司祭様が唱えてくれる。
しかし、その言葉を聴くよりも、優先すべき義務を持つ者たちがいた。肉の内に、罪を抱える者達である。
その者達の告白を聴き、肉体を通して筋肉のゆるしを与える——それが助祭である僕の役目だ。
内に僕を宿したこの箱はそう、告解室、である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます