第17話 (閑話)評議員達の会話

 悪の組織の幹部会議です。

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 評議員その1「先ほどの話、どう思う?」


 評議員その2「カカリ村出身の魔女と聞いていたが、薬を作れるとは考えていなかった。」


 評議員その3「そもそも大魔女が薬を作っているのではなかったか?」


 評議員その1「俺もそう思っていた、他に作れる魔女が居るとは知らなかった。」


 評議員その3「少し考えれば、大魔女一人でこれほどの大量な薬を作れるわけが無かった。」


 評議員その2「だよな、他にも薬を作れる魔女が居るんだろうな。」


 評議員その1「魔力が在るからと女のくせに出しゃばりおって、俺はあの魔女が気に食わん。」


 評議員その2「私も同じだけど、女に魔力が多くて男は少ないのは事実じゃ、気に食わんがの。」


 評議員その1「女は子宮に魔力を貯めて置けるから多いんじゃ、男の様に頭に貯めるだけなら男の方が多いはずじゃ。それに魔女のポーション《くすり》が出回ったおかげで俺たち薬師も魔女に劣らぬ評価を得られた、そこだけは評価しとる。これからも、女は男の下で働いていればいいんじゃ。」


 評議員その2「その薬だが、オズボーン商会も何かゴタゴタして近く娘が後を継ぐと聞いたぞ。」


 評議員その3「儂も聞いた、内部で不正行為が見つかったとか聞いたが薬の仕入れに不都合は今の所無いようじゃ。」


 評議員その1「ふん、又女か、娘が継ぐとろくなことにならんぞ。」


 評議員その2「なぁ、何か今の魔女を使ってポーション《くすり》をこちらに都合の良いようにできないかな?」


 評議員その1「あの魔女から薬を取り上げるのか?」


 評議員その2「いやいや、それだけじゃ有るだけ売ればそれでおしまいじゃないか、あの魔女を使ってポーション《くすり》を作らせられないかと思ってな。」


 評議員その1「良し、ごろつきを数人雇ってけしかけよう。」


 評議員その3「まてまて、魔女は戦争で魔法を使ったと言うぞ、やるなら慎重にやるんだ。」


 評議員その1「魔法なんてケガを治す程度で戦いに使える魔法じゃあないさ!」


 評議員その2「いや、使えるかもしれんな、そもそも魔女は治癒の魔法を使えるから魔女なんだ、他に魔法が在っても不思議じゃない。」


 評議員その1「たしかに治療で魔法は使うが、噂じゃ、人を殺せる魔女がいると聞いたがほんとうかな?」


 評議員その2「それこそ伝説さ、治癒以外の魔法はあるかもしれんが、魔法で殺したなど聞いた事が無い。ただ、使い魔を使って人の内緒話を盗み聞きするとは聞いたかな、ここの話も使い魔に聞かれているかもしれんぞ!」


 評議員その3「これこれ、不確かな話で疑心暗鬼になってどうする、もっと金になる話をせい。」

 「そんな事より、どうにかしてあの魔女に儂らのためにポーションくすりを作らせられんか?」


 評議員その1「偽薬の嫌疑をかけるのは、どうかな?」


 評議員その2「ごろつきに偽薬だといちゃもんを付けさせて、恐れて逃げる魔女を私たちの保護下に置くことが出来れば。」


 評議員その3「そううまく事が運べば良いが、まぁ何回かごろつきを雇って仕掛しかけてみるか。」


 評議員その2「なあに、偽薬だと数人で繰り返し襲撃すれば、其の内怖くなって逃げ出しますよ。」


 評議員その1「そして、逃げ出した所を我々が助ければコロっと騙されるさ、たかが女一人簡単な事よ。早速に知り合いに話して、仕掛けさせましょう。」


 評議員その3「儂の下屋敷に1部屋用意しよう、守るからと連れてくれば良い。」


 評議員その2「最悪、騙されなくても、行き帰りの一人の時にさらってしまえばいいのさ。」


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 悪の組織(笑)でした。

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